日本ハムのボビー・ケッペル投手(28)が来季の飛躍へ向けて「手癖」の改善に乗り出すことが22日、判明した。紳士的かつ品行方正ともっぱらの評判だけに、もちろん私生活ではなくプレー面での問題点。マウンド上での無意識の習慣的な行動、球界用語でいう「クセ」で球種が、相手打者らにバレている可能性があり、判別を防ぐための新作グラブを早くも試作した。

 今季12勝と躍動した助っ人右腕が、静かに動きだした。この日、札幌市内の球団事務所を契約メーカーのミズノ社の担当者が訪問。佐藤通訳に、ケッペルから依頼があった来季用の新作を手渡した。ベースはチームメートの宮西モデル。今季使用したものより1回り大きくなっており、1番の違いは、グラブから出す左手人さし指を挿入できる「指入れ」が新たに加えられた点だ。

 これまでは米時代と同じく、その人さし指を“丸出し”にしてプレーしていた。それを隠すのは「クセ」を見破られるのを防ぐためだ。指をしきりに動かす、また関節の曲がり方などで、相手へのヒントになる場合がある。球種だけではなく、走者へけん制するかしないかまで分かってしまうケースもあるという。佐藤通訳は「(ケッペル)本人もいろいろと考えているようです」と説明した。

 今季は前半戦だけで9連勝を含む10勝を挙げたが、後半戦は失速。ケッペルも、少なからず「クセ」に疑心暗鬼になっていた。まず第1弾グラブはすぐさま米へ空輸される予定。オフにテスト使用しながら違和感を取り除き、来季本番へ備える。【高山通史】

 [2010年10月23日11時14分

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