楽天田中将大投手(22)と日本ハムドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が、プロで初めて投げ合う舞台が整ってきた。4月23日午後2時からKスタ宮城で行われる楽天-日本ハム5回戦の放送権を、NHKが確保したことが26日、分かった。しかも地上波での全国中継を予定しているという。楽天星野監督、日本ハム梨田監督とも、全国のファンが期待する2人の投げ合いの早期実現で一致し、星野監督はKスタ宮城での初対決を希望している。斎藤佑が順調なステップを踏めば、実現の可能性は十分ある。

 田中VS斎藤佑の初顔合わせXデーは「4・23」となりそうだ。パ・リーグは25日、今季公式戦の試合開始時間が入った詳細日程を発表した。放送各局はリーグ戦のスケジュールに合わせ番組編成を行い、中継したい試合の放送権獲得に向け各球団と本格的な交渉に入る。星野監督を迎えた楽天の主催試合については特に注目度が高く、例年になく問い合わせが多い。放送関係者は「カードによっては間違いなく争奪戦となる」と、今季楽天戦の「ドル箱化」を指摘した。

 いち早く今季初のKスタ楽天-日本ハム戦に着目し、4月23日のデーゲーム放送権を確保したのがNHKだ。野球中継は衛星で、がトレンド。だが放送関係者の話を総合すると、地上波枠を用意したという。野球好きが今季最も注目するカード。田中と斎藤佑が順調な道のりを歩む前提やローテーションの兼ね合いなどクリアすべきハードルはあるが、新たな球史の幕開けを電波に乗せ、あまねく伝えたい意向がうかがえる。

 舞台が用意されれば、夢対決実現の可能性はグッと高まる。楽天星野監督と日本ハム梨田監督は、大局的な見地から球界発展を心から願う指導者。きずなも深く、いつでも対話できる関係性がある。星野監督は就任直後から田中と斎藤佑の投げ合いを意識。「皆さんも期待されているでしょう。無理にはさせないが、早いうちにコンディションが合えば。まずはKスタでだよ」「年間3試合くらいはやりたいね。もちろん、2回は仙台で!」と前向きな発言を繰り返している。パは予告先発制で、比較的先発日程を調整しやすい利点もある。

 甲子園を沸かせた投げ合いから5年の時を経た。田中は球界トップの投手となり、先輩として斎藤佑に、立ちはだかる。斎藤佑はライバルを意識しつつ、闘将率いる新生楽天と対峙(たいじ)する。日本中のファンの前で、将来のプロ野球界にとっても金看板となる対戦が幕を開ける。

 [2011年1月27日9時1分

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