日本ハム中田翔内野手(21)が、ダルビッシュの“秘蔵っ子”を撃破した。沖縄・名護で行われた紅白戦に白組の4番左翼で出場。1打席目に左中間を破る適時二塁打を放つと、3回1死の第2打席で、今季加入したウィルフィン・オビスポ投手(26)の内角直球を左前にはじき返した。「打撃フォームをしっかり意識しながらできたので良かった。ひじをたたんで振り抜けたのが良かったです」と自らに合格点を与えた。

 投手と野手の違いはあっても、入団以来、時には厳しい言葉で叱咤(しった)激励してくれたのが先輩ダルビッシュだった。「ダルさんに言われると、うれしいし、自分のことを思って言ってくれてるわけやから、やらないとなと思う」。いつも「師匠」からのムチを発奮材料にしてきたが、今キャンプではダルビッシュがオビスポを「強化指定選手」に指名。中田は“兄弟子”として、新弟子には負けられなかった。

 価値ある一打だ。師匠のダルビッシュが「打ちづらいでしょうね」と話すように、インステップで投球してくるオビスポに対し、右打者は恐怖感を覚える。中田も胸元を2球えぐられたが、腰を引くことはなく、カウント3ボール2ストライクからの直球を三遊間へ転がした。「追い込まれてから打てたので、それが一番自己評価できる」と本人も納得。福良ヘッド兼打撃コーチも「成長した」と目を細めた。

 今日9日の2度目の練習休日も、自主練習を行う予定。師匠からの指導が減ったのは、成長している証し!?

 かもしれない。【本間翼】

 [2011年2月9日11時24分

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