巨人東野峻投手(24)が16日、気合の300球超えで、自身初の開幕投手へアピールした。前日15日の紅白戦で先発して32球を投げたが、連日のブルペン入り。「紅白戦の内容が納得できなかったし、悔しかった。投げて調整しようと思った」。斎藤投手コーチ、ファンから大きな拍手を浴びたが、期する思いが胸にはあった。

 鬼気迫る表情に、ブルペンが静まり返った。一番乗りしたが、残ったのはただ1人。162球目からは実戦形式、最後の25球は無心で腕を振った。直球の威力は最後まで衰えなかった。ミスター完投と呼ばれた斎藤投手コーチが「疲れてくると、自然な動きができなくなる。最後までボールがいっていたわけだから、究極のフォーム、バランスで投げていたということ」と絶賛する内容だった。

 負けず嫌いの男の闘争心をかき立てたのが、内海、沢村らライバルの存在だった。ともに前日の紅白戦では2回無失点と好投。「意識はします。やるからには1番になりたい」。昨季は1度も口にしなかった開幕投手への思いの裏には、2年連続で先発ローテーションを守ってきた自覚と誇りがある。「これからガンガンいきます」。笑顔の中に、強い意志が表れた。【久保賢吾】

 [2011年2月17日8時23分

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