西武ドラフト1位・大石達也投手(22=早大)が壁にぶつかった。10日、教育リーグの巨人戦に先発し、プロ最長5イニングを投げて5安打1失点。本拠地西武ドーム初登板で“初勝利”を挙げたものの、球速は138キロ止まり。前回登板の2日は東京ドームで144キロだったが「前より良かったけど、スピードが全然出ない」と悩める胸中を明かした。状態が上がらないようなら、開幕2軍スタートの可能性も出てきた。

 西武ドームの球速表示は出にくいといわれるが、それを差し引いても物足りない。130キロに満たない直球もあり「バランスがしっくりこないというか、納得いくフォームじゃない」。先発転向し、心配されていたスタミナ面は及第点だった。フォークも落ちて3奪三振。失策絡みで先制された以外は得点を許さなかったが、最速155キロ右腕は歯がゆさを隠せなかった。

 他球団スコアラーは「伸びる球の質はいいが、大学時代のスピードがまだない」の声が大半を占めた。ボークをとられ、暴投が2つ、3盗塁を許すなど課題が見つかった。ただ最大の不安は球威不足と自覚し「大学のビデオと見比べたい」と好調時のフォームを参考にして立て直しを図る。今後は16日の中日戦(西武ドーム)で登板予定だが、首脳陣も焦らせるつもりはない。先発としてじっくり大きく育てる方針でいる。【柴田猛夫】