中日落合博満監督(57)が、球団史上初の連覇への手応えを明かした。開幕前日、沖縄キャンプ初日以来、2カ月ぶりに会見。連覇への課題を問われた指揮官は、きっぱりと言い切った。「普通に戦わせたいと思っています。普段通り。今までやってきたことをそのままやってくれればいい」。穏やかな口調で強烈な自信を見せつけた。

 1936年の球団創設以来、8度のリーグ優勝を果たしたが、連覇はない。それを「普通に」さえ、できれば乗り越えられると豪語した。戦力的には巨人、阪神には劣るかもしれない。それでも、ハードキャンプで鍛えた戦力とその戦力を使い切るベンチワークに絶対的な自信を示した。

 吉見が右肘手術、チェンが左内転筋痛。昨季2ケタ勝利を挙げた左右の両輪を欠いてスタートするが、落合監督は「彼らがマウンドに上がったからって25試合で25勝てるわけではない。今までなかった戦力を使うことでレベルアップするということもある」と話した。144試合をトータルで考える同監督ならではの発想だった。

 特別なシーズンへの決意をこう表現した。「今まで普通にやれていたものが、災害、被災でできない。こういう時は元気な者がよりもっと元気よくなって、その輪を広げていくことが大事。命を与えられて、生きて、この仕事をやれる。その元気を皆さんに与えることができればいいんじゃないか」。無表情と冷静な言葉の裏には、野球への情熱が渦巻いている。常勝指揮官は大きな使命を背負って、勝ちに行く。【鈴木忠平】