日本ハムが、米カブス傘下3Aのボビー・スケールズ内野手(33)を獲得することが27日、明らかになった。左かかと付近にある左距(きょ)骨の骨折で今季絶望的な田中賢介内野手(30)の穴を埋めるための措置。通算61試合のメジャー経験があり、二塁手として起用できるスイッチヒッターに白羽の矢を立てた。近日中に正式発表される見込みで、順調に進めば7月上旬には来日する。

 日本ハムが電撃的な積極策に打って出た。スケールズは今季3Aで打率3割4厘、出塁率4割2分4厘のハイアベレージをマーク。本職は二塁手だが、三塁、左翼、右翼も守ったことがあるユーティリティープレーヤーだ。183センチ、84キロの両打ちの中距離タイプで、起用の幅も大きく広がりそうだ。昨季まではホフパワーとチームメートで、日本の環境に早く適応するための後押しも受けられそうだ。

 18日広島戦で負傷した田中の長期離脱を受け、球団側が即座に対応策を協議。アル・ハーグシャイマー駐米スカウト(56)らに代役になりうる可能性がある選手を調査、基本合意へこぎつけた。出身の米ミシガン大は米公立大で5指に入る名門だ。シーズンオフは副業で自宅のあるジョージア州に戻り、母校ミルトン高で代用教員を務めることもある変わり種。モニカ夫人は「ヘルスコミュニケーション(健康情報学)」の博士号を所有するなど、インテリな一面も持つ。

 メジャー通算61試合、打率2割4分8厘、3本塁打、17打点の実績を持つ。99年ドラフト14巡目でパドレス入りしてマイナーで10年以上を過ごし、その後はフィリーズ、レッドソックス傘下のマイナーを渡り歩いた。09年5月に、ようやくカブスでメジャー初昇格。マイナーを卒業するまでに1013試合を要したが、そのデビュー戦で2年連続サイ・ヤング賞のジャイアンツの右腕リンスカムから記念すべき初安打を放った。そんな「持っている」苦労人が、非常事態を緩和させる切り札になる。