<パCSファイナルステージ:ソフトバンク4-2西武>◇第1戦◇3日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが西武に快勝した。史上2人目の両リーグ首位打者に輝いたソフトバンク内川聖一外野手(29)が3回に先制の2点三塁打を放った。6回にも2打席連続長打で2安打。これまで6度、日本シリーズ進出を逃している鬼門のプレーオフ、CSで、新加入のヒットメーカーが大暴れだ。優勝のアドバンテージ(1勝)を加えて2勝。今日4日の第2戦で03年以来の日本シリーズ進出へ、王手をかける。

 三塁ベース上。ソフトバンク内川は、我を忘れ両手を天に突き上げた。3回2死一、三塁の第2打席。西武先発帆足の3球目、低めの直球を逆らわずに右翼へ運んだ。打球はぐんぐん伸び、右翼手の頭を越える。一塁走者の本多も生還。先制の2点三塁打を放ち、3回に早くもベンチはお祭り騒ぎ。安打製造機のバットが、タカを勝利へ導いた。

 「すごく興奮している。(宮崎で)フェニックスリーグに参加している時もCSが待ち遠しかった。早くたくさんのファンの皆さんの前で野球がしたい。そういう気持ちがいい方向にいったのかと思う」

 第1打席は帆足の内角球に詰まり三ゴロに倒れた。だが、この1打席で帆足攻略のヒントを得たという。「カットボールが思ったより食い込んでくる。流した方がヒットの可能性が高くなる」。天才的な洞察力で先制打をたたき出した。6回にも左翼へ二塁打。この回のKO劇につなげた。

 ホークスは過去1度もプレーオフ、CSを突破したことがない。昨季はリーグ優勝を果たしたが、ファイナルステージで3位のロッテに日本シリーズ進出を阻まれた。だが、今年は内川がいる。史上2人目のセ・パ両リーグ首位打者を獲得し、リーグ連覇に貢献。そして、この日は高い集中力を保ち殊勲者となった。

 ファイナルステージでは1勝のアドバンテージがあり、今日勝てば、03年以来の日本シリーズ進出へ王手となる。秋山監督は「先に点が入ったのが大きかった。ちょこちょこミスがあったのは反省」と気を引き締めた。もうポストシーズンに弱いレッテルは返上する。内川の一打にはチームの執念がこもっていた。【奈島宏樹】

 ▼ソフトバンクがプレーオフ、CSのステージ初戦に勝ったのは、ダイエー時代の04年プレーオフ第2ステージ(対西武)以来。05年からは初戦6連敗中だった。これでアドバンテージの1勝と合わせ2勝0敗。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗としたチームは、昨年の中日まで過去11度すべて勝ち上がっている。