阪神能見篤史投手(32)が今オフの契約更改で1歩も譲らない姿勢をみせた。7日、兵庫・西宮市内の甲子園クラブハウスで自主トレを行い、来季契約について言及。希望額は明かさなかったが、今季推定年俸5000万円から倍増の1億円程度を求める模様だ。「去年話し合って、言われたことは、しっかり覚えている。言っていたことが、変わっていたら困る」と話した。

 昨季は8勝0敗ながら、2度の交渉も現状維持の5000万円でサイン。4カ月の戦線離脱が査定に大きく響いた。試合中のアクシデントで負った右足甲の骨折だったが、2度の話し合いでも公傷は認められなかった。2度目の交渉後「ケガした分(今季は)倍以上暴れたい」と、リベンジを誓った。

 今季はプロ7年目で初の開幕投手を務めた。先発陣で唯一、ローテーションに穴をあけずフル回転。中5日はもちろん、中4日での先発もあった。自身初の200イニング登板も達成。昨季の62回1/3から、3倍以上も左腕を振った。リーグトップの奪三振率8・36を記録し、リーグ2位となる186個の三振を積み上げた。

 加算方式の査定法で、大幅アップは確実だ。早くも来季へ向け、トレーニングを開始している左腕。チームは4位に終わったが、身を粉にして働いた自負はある。契約更改の席で言いたいことははっきり言う。【鎌田真一郎】