“超早デビュー”でG倒シュワッチ!?
阪神新人6選手の入団会見が12日、大阪市内のホテルで行われた。同席した和田監督はドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)を2月の沖縄・宜野座キャンプ中に実戦デビューさせると明言。2月では異例となる巨人戦でプレーする可能性が高まった。
ウル虎ルーキーが過去最速の「伝統の一戦」デビューを飾りそうだ。真新しいタテジマをまとった伊藤隼と対面した和田監督が早期実戦起用を明言した。
和田監督
顔と体を見ているが、プレーを見たい。タイプ的には実戦向き。練習と実戦では違ったものが出てくる選手だと思うので、早く実戦も見てみたい気持ちだ。
03年ドラフトの鳥谷以来となる1位野手を超早く実戦に立たせ、経験を積ませる考えだ。その相手が宿敵巨人なら、伊藤隼のハートも燃え上がるはずだ。指揮官は11月の秋季キャンプ中に2月のG戦を熱望していた。実現すれば、沖縄で初の1軍によるTG戦という歴史的なゲームが、伊藤隼のG戦デビュー舞台となる。
伊藤隼
(2月の実戦は)あんまりないですよね。(慶大は)キャンプ自体が3月からなので。そう言われればやっていくしかないです。
早慶戦同様、TG戦はライバルの火花がバチバチ飛び交う。阪神の主力選手は巨人戦に勝利することが宿命ともいえる。伊藤隼は仮契約の翌日に「早慶戦みたいにお互い意識して、高め合っていければいいですね」とG戦への思いを巡らせていた。
単なる顔見せでは終わらない。09年から3年連続で対戦成績は五分。07年の14勝9敗を最後に、チームは4年連続で巨人戦に勝ち越していない。横浜から主砲村田を獲得し、ソフトバンクからFAした杉内の獲得も確実。巨大戦力補強を続ける宿敵に、虎の新戦力としてデビュー戦で強烈な先制パンチを食らわせる必要があるのだ。
風格すら漂う伊藤隼だが、プロの第1歩を踏み出したこの日は時折、目をキョロキョロ泳がせながらマイクを握った。目標を問われても決して「新人王」という言葉は口にしなかった。
伊藤隼
先のことを考えずというのが自分のスタイル。目の前のできることをしっかりやって、そういうものは結果だと思います。最初から意識するものではないです。
そうは言っても、新人王の3文字は目指すべきゴールだ。今季は沢村が11勝で獲得するなど、4年連続で新人王を輩出したのは巨人。ライバルチームの新人王独占はもう許されない。2月のG倒からウル虎ルーキーのプロ生活が幕を開ける。【岡本亜貴子】<伊藤隼一問一答>
-タテジマに袖を通した
伊藤隼
自分が思っていたよりも阪神という伝統ある球団に入ったんだなという実感がとても強く湧いています。それとともに、阪神タイガースの一員として自覚や責任を持たなければいけないなという気持ちです。
-セールスポイント
伊藤隼
バッティングで期待されていると思うのですが、守ること走ること投げることすべての面で全力でプレーして、すべての面でアピールしたい気持ちが強いです。
-目標とする選手
伊藤隼
今まであまり目標とする選手というものを自分の中では掲げていませんでしたが、阪神タイガースの大先輩である金本選手のようなプロでも長くやって、ひときわ存在感がある選手を目標として頑張っていきたいです。
-右翼以外の経験は
伊藤隼
大学では全部のポジションを一応守ったことがありますけどライトが一番多かった。プロに入ったらそんなこと言ってられないので、どこでもいけるように準備するしかない。