和田阪神よ、はやぶさになれ!!

 猛虎党のハリウッド俳優・渡辺謙(52)が13日、主演映画「はやぶさ

 遥かなる帰還」(来年2月11日公開)のキャンペーンで会見。「クソもミソものような大型補強は必要ない」と、暗にライバル巨人のやり方をチクリ。現有戦力底上げ+ドラフト補強でV奪還を狙う和田豊新監督(49)の方針にエールを送った。60億キロの宇宙大航海を、スタッフの情熱と英知で乗り切ったはやぶさばりの劇的フィナーレを願った。

 和田阪神のキャッチフレーズ「熱くなれ!!」が、もう体に染みこんでいる。“世界のケン・ワタナベ”の口調がヒートアップした。

 「和田監督は『ちょっとスパイスを加えるだけで優勝できる』とおっしゃっているようですが、全く同感。クソもミソものような大型補強は必要ない」

 横浜の村田、さらにはソフトバンク杉内…。FA市場の大物を根こそぎさらうような巨人の方針を暗に批判。金本、城島らベテラン勢の故障回復、若手のレベルアップ、新人加入で優勝を狙う和田イズムに強い共感を示した。

 くしくも今回の主演映画は、和田阪神が目指すVロードを予感させるストーリーだ。2010年6月13日、7年間60億キロの旅を終え、地球に帰ってきた小惑星探査機「はやぶさ」を支えた人々の姿を、ドキュメンタリーで描く。宇宙での位置喪失、燃料漏れ、エンジントラブルという困難を財力に頼らず、情熱と英知で乗り越え、NASAも驚く偉業を成し遂げた。その姿勢が日本国民を感動させた。阪神にもそうなって欲しい-と言わんばかりだ。

 渡辺は熱弁を、最初から準備していたようだ。会見冒頭のあいさつで「阪神の新人入団会見も無事終わりまして、本日は多くのみなさんに来ていただいて…」と報道陣の爆笑を誘った。記念撮影ではガッツポーズを要求されると「え?

 こんな感じですか?」と一瞬、打撃フォームを作るノリノリぶりだった。

 「今年は日本全体がすごく縮こまっていた。阪神もそれに乗っちゃった感じ。ストレッチして、タテジマのシワを伸ばして、荒々しい虎に戻ってほしい。“優勝戦線に残る”というレベルではない。優勝できる。けがせんと頑張ってほしい」。最後は関西弁のイントネーションになって、笑みを浮かべていた。【加藤裕一】<虎党謙さん過去のエール>

 ◆緩まない

 03年8月24日横浜戦(横浜)を観戦。18年ぶりの優勝に近づくチームに「マジックが減っていますが、気を引き締めて応援しています」。

 ◆知将

 05年9月19日、中日戦の応援に甲子園へ。「岡田監督の表情が、勝つうちに変わってきましたよね。『知将』という感じがします」。

 ◆予告

 08年7月5日の横浜戦(横浜)を訪れ、下柳、金本、矢野らアラフォー組を激励。奮闘を続けるベテランたちのお立ち台に期待し「2、3回は見られるんじゃないですか」。

 ◆求む!

 型破りスター

 8月18日、大阪市内で阪神について「型破りなスターが出てきてほしい。映画でいえば勝新(太郎)さん、原田(芳雄)さんのような選手」と注文。