先輩とお立ち台に上がります!

 セ・リーグMVPの中日浅尾拓也投手(27)が23日、テレビの収録で母校の愛知・知多市立八幡(やわた)中学校を訪問。来季は同中学の16年先輩にあたる山崎武司内野手(43)がチームメートになることを喜び「1回はいっしょにお立ち台に立ちたい」と宣言した。

 懐かしい母校にセ・リーグMVP右腕の浅尾が凱旋(がいせん)した。中日入団が決まった直後の06年以来、5年ぶりの訪問。この5年でセ・リーグ連覇を果たし、プロ野球界を代表するセットアッパーへと登りつめた。後輩たちから「キャー!!」と大歓声で迎えられた。

 今や、プロ野球を代表する右腕となったが、原点は八幡中にある。当時、野球部では捕手だった。常滑北高に進んで投手に転向したが、打者を惑わせるテークバックの小さなフォームは、捕手だった中学時代のなごり。「あの時は捕手の方が楽しかった。(部を)やめようと思ったこともありました。でも、チームメートが助けてくれました」と、当時を懐かしがった。

 八幡中はプロ野球界にもう1人の大物を輩出している。今オフ楽天を自由契約となり、チームメートとなった山崎は、浅尾にとって16歳年上の先輩にあたる。「小さい時に野球教室に来てもらった思い出があります」。交流戦の対戦成績は通算で4打数1安打。今季のオールスター第1戦でも対決が実現し、中飛に打ち取っている。いずれも、胸躍る対戦だった。

 そんな山崎と2人で本拠地を沸かせることが、リーグ3連覇への近道。母校で1つの目標を立てた。

 「1回は2人でいっしょにお立ち台に立ちたいです」

 2人の力をもってすれば「1回」の目標は控えめ。何度もナゴヤドームを沸かせたい。今オフ、山崎の中日入りがほぼ内定していたタイミングで開催されたゴルフコンペで、顔を合わせている。「(中日に)行くかもしれないから、と言われたので『こちらこそ、よろしくお願いします』とあいさつしました」。来季は2人でファンにあいさつし、ナゴヤドームを熱狂させるシーンが見られそうだ。