ヤクルト増渕竜義投手(23)が、母親への感謝を持って6年目のキャンプに向かう。29日、沖縄への出発直前に埼玉・和光市の清龍寺不動院で、上田、山本斉と初の座禅に挑戦して精神集中した。プロ同期の楽天田中は婚約を発表したが「親に家を買ってからかな」と、孝行息子らしい大きな目標を掲げた。

 母洋子さんは、プロ入り当時まではヤクルトレディとして働き、女手一つで育ててくれた。今は増渕が、東洋大に入学する弟雅也投手(鷲宮高3年)の入学金や学費をすべて払っている。2月3日の入寮に向けて、布団など生活用品も一式プレゼントした。昨季は自己最多7勝(11敗)を挙げて、年俸は1100万円アップの4100万円になった。活躍を続ければ、夢が現実になる日は近そうだ。

 30分×2セットの座禅では、木の棒で両肩を打たれて闘魂注入を受けた。先発に専念する今季に向けて、中日吉見を参考にシュート、カットボールの習得に挑戦中。長いシーズンを見据え「軽く投げても、いい球がいくイメージ」と、脱力投法にも取り組んでいる。「目標は大きく15勝。この3人が1軍でバンバン活躍すれば優勝できる。『3羽がらす』でいきたい」と燃えている。【前田祐輔】