<楽天1-8DeNA>◇26日◇Kスタ宮城

 若手が奮起せよ!

 楽天はDeNA戦で8失点の大敗、2連敗を喫した。試合前、鉄平外野手(29)が右肩痛を訴え出場選手登録を抹消。牧田明久外野手(29)も左膝痛で欠場し、今日27日に出場選手登録を抹消される予定。松井稼頭央内野手(36)嶋基宏捕手(27)に続き、中心選手の離脱。チーム状況は厳しいが、この日急きょ1軍に昇格した榎本葵外野手(19)、打撃好調の枡田慎太郎内野手(24)ら若手は頭角を現すチャンスだ。

 チームの底力が試される時だ。25日、腰痛だったエース田中が約1カ月ぶりに1軍に合流。投手陣にとって吉報だったが、今度は野手陣に暗雲が漂った。試合前に鉄平が右肩痛を訴え出場選手登録を外れた。右翼のレギュラー牧田は前日25日の練習中に左膝を痛め、この日仙台市内で検査を受け、全治約2週間の捻挫と診断された。相次ぐ故障者に星野監督も「しょうがない」とため息交じりに話した。

 楽天の顔とされる選手たちが続々と離脱している。右手首痛の主将松井に加え、24日には正捕手の嶋が右手親指付け根の骨折で全治1カ月と診断され、戦列を離れた。度重なるレギュラーメンバーの故障。大久保打撃コーチはそんなチーム状況に「(ケガなどで)いなくなるのは分かってること。今いるメンバーでやるしかない」と前を向いた。その上で「やっぱりあいつら(主力選手)がいないと勝てないなと思われるのか、戻ってきても出る場所がないよ、というふうになるのか、プロは結果が全てだから」と若手を中心とした控え選手に奮起を促した。

 松井の穴を埋める遊撃では、大久保コーチが打撃センスを絶賛する枡田が結果を残し始めた。23日は7年目でプロ初本塁打を放ち、この日も2安打で存在感は増してきている。それでも「全然、まだまだです」と必死のアピールは続く。

 鉄平の代役として昇格した2年目の榎本はこの日、福島・郡山での2軍戦に出場する予定だったが、急きょ仙台に移動し、試合開始30分前に球場に到着。バタバタだったが、9回表から左翼の守備に就きプロ初出場を果たした。「緊張というより、いい意味で興奮しました。雰囲気を味わえてよかった。出られてよかった」と貴重な出場機会を得た。

 エース田中不在の時は、先発では4年目の辛島が頭角を現し、ローテーションに定着した。今度は野手の番。若返りを図るチームにとって、主力離脱のピンチはチャンスでもある。【斎藤庸裕】