広島がブラッド・エルドレッド内野手(31=3Aトレド)の獲得に乗り出していることが18日、分かった。今季3A63試合で24本塁打を放っている長距離砲。球団首脳は「右のギャレットみたいなバッター」と、球団史上初の40本塁打をマークした助っ人と重ねた。すでに身分照会を行っており、早ければ今日19日にも交渉を開始する。

 ニックの代役は、3Aの2冠王だ。広島はインターナショナル・リーグで本塁打、打点でトップをひた走る、エルドレッドの獲得に本腰を入れた。63試合を消化した時点で24本塁打。2・6試合に1本のハイペースでアーチを量産している大砲だ。

 球団首脳は「右のギャレットのような感じ。ギャレットも固め打ちするタイプだったけど、エルドレッドも調子とタイミングが合えば、打てると思う」と説明した。

 ギャレットは78年に球団史上初の40本塁打を放つなど、77年からの在籍3年間で102本塁打をマークした。エルドレッドは73三振と粗さもあるが、打率は3割をキープ。何より、かつての大砲のように、3A通算162本塁打のパワーを誇る。

 以前から獲得候補には挙がっていた。球団首脳は「去年と比較して、ボールに間合いが取れるようになった」と、成長も指摘。守備位置は主に一塁手で、メジャー時代には外野で出場した経験もある。

 広島入りに関して好材料もある。バリントンは、02年ドラフトでパイレーツに同期入団した間柄。異国の地でシーズン途中の加入でも、知っている顔があるのは好材料だ。

 交流戦終盤に打線が息を吹き返してきたとはいえ、依然としてチーム打率は12球団ワーストの2割2分6厘。栗原の代役を務めてきたニックも、痛めた左膝を手術する方針で今季中の復帰は絶望的。代役4番としての期待は大きい。

 球団はすでに身分照会を行っており、早ければ今日19日にも、MLBサイドから回答がある見込み。球団は7月上旬の来日を目指し、交渉を開始する。

 ◆ブラッド・エルドレッド

 1980年7月12日、米フロリダ州フォートローダーデール生まれ。フロリダインターナショナル大から02年ドラフト6巡目でパイレーツに入団。05年にメジャーデビューし、55試合で12本塁打。メジャー通算90試合に出場し、打率2割3厘、15本塁打、34打点。今季は3Aで63試合に出場し、打率3割5厘、24本塁打、65打点。198センチ、122キロ。右投げ右打ち。