<楽天1-3オリックス>◇11日◇Kスタ宮城

 楽天美馬学投手(25)のKスタ宮城での初勝利は、またもお預けとなった。オリックス戦に先発し、6回までノーヒットに抑え好投したが、1点リードの7回に突如崩れた。野中に初安打を許すと、バルディリス、T-岡田に適時打を浴び逆転を許した。7回4安打2失点で4敗目。Kスタ宮城4度目の登板で初勝利を目指したが、好投も報われなかった。

 負けても暗い顔を見せない美馬も、悔しさを隠せなかった。6回まで無安打投球。ノーヒットノーランの期待が徐々に高まってきた7回、4安打を浴び、あっという間に2失点で逆転された。自身今季初の2連敗で4敗目を喫し「なんでピンチで力が出ないのかな。点をとってもらった後なので野手に申し訳ない」と浮かない表情で振り返った。

 不運な安打から崩れた。7回、先頭の野中に対し内角球でバットを折りながら、遊撃内野安打とされた。球場内からため息がもれると、これまでの投球が別人だったかのように崩れ、流れが変わった。「途中まで内容がよかっただけにもったいない。いつも同じ感じで点をとられてるので」と肩を落とした。負け試合は連打を浴び失点する場面が多い。前回登板した4日のロッテ戦も安打、四球、安打で決勝点を奪われ敗戦。同じことを繰り返す自分の投球を猛省した。

 本拠地での1勝が遠い。登板2日前の9日、「なんとかKスタで勝ちたいんですけどね。Tシャツの色を変えてこようかな」と普段はしない験担ぎを考え、これまで登板日に来ていた白のTシャツを、この日は黒に変えて臨んだ。それほど本拠地のファンに勝利を届けたかった。「今日は飛ばしました」と、1回から最速149キロをマークし、6回まで5度の3者凡退。「いつも点をとってもらってるので、今日は自分が守りたかった」と気迫の伝わる投球だっただけに、悔やみきれない敗戦だった。

 星野監督も「もったいない。ちょっとどころじゃない。ものすごくもったいない」と残念そうに話した。それでも、ここまで3位と好位置につけるチームにとって、美馬の5勝は大きい。次回登板は前半戦最後の登板で、首位ロッテ戦だ。「勝ち越して終わりたいですね」と6勝目に向け、最後はしっかり前を向いた。【斎藤庸裕】