<イースタン・リーグ:日本ハム4-2DeNA>◇25日◇鎌ケ谷

 日本ハム斎藤佑樹投手(24)が中継ぎとして1軍再昇格する可能性が急浮上した。イースタン・リーグDeNA戦に先発し、7回4安打無失点で降格後初勝利を挙げた。2軍で7試合目の登板で、ようやく復調の兆しを見せた右腕に栗山英樹監督(51)はこの日のロッテ戦後、「いろいろなことを考えている」と再昇格を示唆。疲労が懸念されるリリーフ陣の一員として、優勝争いの輪に加わる可能性が出てきた。

 7月末から2軍で調整していた斎藤に、ようやく再昇格の芽が出てきた。降格後、7度目の先発となったDeNA戦。7回4安打無失点でイースタン初勝利を挙げた。「内容自体はいつもと変わらない。結果は良かったですけど。まだまだやるべきことがたくさんあるなという感じ」と笑顔はなかった。それでも、報告を受けた栗山監督の反応は、これまでとは違った。ロッテ戦後「いろいろなことを考えている」と、先発に固執せず、中継ぎとして再昇格させることを示唆した。

 復調の兆しを見せた。5回までは1人の走者も許さない完全投球を披露。6回に初安打を許したが、21個のアウトのうち、2つの併殺を含む13個のゴロアウトを奪った。低めを突いて打たせる上々の内容。満足はせず、四球をきっかけに満塁のピンチを背負った7回を反省した。無失点で切り抜けたが「あの辺ですよね。しっかり投げきらないと。今日の投球に限らないで、レベルを上げたい」と気を引き締めた。

 1軍は8試合を残して首位に立ち、優勝争いの佳境を迎えている。今後、現在の先発陣が今季最後の登板を終えた後に登録抹消して、中継ぎを補充することも考えられる。本来の先発ではなく、リリーフとして昇格候補に挙がることに、吉井投手コーチは「リリーフをやったことがない投手が、優勝争いをしているこの大事な時期に使えるのかな?

 と思うと、先発のほうがいいと思う」と慎重だが、プロ2年目にして緊張感のある現場に戻ることは有意義な経験。開幕投手を務めた斎藤が、最後の最後で優勝争いの輪に加わるかもしれない。