楽天戸村健次投手(25)が、「AKB闘将ファイブ」の先頭に立つ。10日、仙台市内の球団事務所で契約更改を行い、90万円増の1500万円でサイン。今季はプロ初勝利を含む3勝を挙げたが、年間通した活躍は出来なかった。倉敷秋季キャンプで「AKB闘将ファイブ」の一員となり、星野仙一監督(65)からの期待も大きい。来季こそチームに貢献するべく、さらなる成長を誓った。(金額は推定)

 戸村の目は本気だった。今季は開幕ローテーションを勝ち取り3勝。だが会見では終始、表情を引き締め「期待してもらっていた分、数字(3勝2敗)はかけ離れてしまった。来年こそはやらないといけないという気持ちです」と来季への意欲を示した。

 秋季キャンプから燃えていた。星野監督が連日ノックを浴びせた「AKB闘将ファイブ」。その5人の中の最年長として戸村は積極的に動いた。捕りやすい打球には「余裕です!」、「ラッキー!」など、監督を“挑発”するような言葉も。その意図は「少しでも監督の印象に残るように、変わったなと思われるようにやってました」と、自分を変えるためにも行動を起こした。年下の辛島は今季8勝、釜田も7勝を挙げている。「僕より実力のある投手がいたということ」と、悔しさがあったからこそ積極的に先頭に立った。

 環境を変える決断もした。今オフの自主トレはマリナーズ岩隈、塩見、高堀らと米国で行う。例年、仙台で自主トレを行ってきたが「何かを変えないといけないし、せっかくのチャンスなので。自分の中でプラスになるように、環境を変える意味でも行くことにしました」と、一流の野球学を学ぶため、「岩隈塾」に入門することを決めた。

 真価を問われる来季。「これから1年1年が勝負になってくる。来年は先発、中継ぎ関係なくチームに1年間貢献できるようにやっていきたい」と意気込んだ。【斎藤庸裕】

 ◆戸村健次(とむら・けんじ)1987年(昭62)10月20日、埼玉・日高市生まれ。立教新座から立大に進学し、4年秋に自己最多4勝。09年ドラフト1位で入団した。最速151キロの直球とスライダーが武器の本格派右腕。今季、プロ3年目で初勝利含む3勝を挙げた。185センチ、85キロ。血液型B。

 ◆AKB闘将ファイブ

 11月の倉敷秋季キャンプで、星野監督が自ら連日1時間のノックを浴びせた戸村、塩見、菊池、辛島、釜田の5人組のこと。星野監督がノックの時に「捕れ、アホ(A)!」、「走らんか、この野郎(K)、バカ野郎(B)!!」などと発した言葉にちなんだもの。報道陣から愛称について「AKB闘将ファイブはどうか」と提案され、決定した。