守護神候補ゲッツ!

 オリックスは12日、ソフトバンクにFA移籍した寺原隼人投手(29)の人的補償で馬原孝浩投手(31)を獲得したと発表した。背番号は20。ダイエー時代から馬原を知る森脇浩司監督(52)は、昨年2月に手術した右肩も問題なしと判断しており、勝利の方程式に組み込むことを明言。通算180セーブ右腕に信頼を寄せた。

 絶対的な信頼が、起用法を明言させた。森脇監督は持論を展開しつつ、最大限の評価で右腕を歓迎した。「守護神やセットアッパーというのは、競争でつかみ取るポジションではない。絶対的なものをもってるからやるところ。重要な部分を任せたいと思う」。

 リストを目にした瞬間に、球団首脳に猛プッシュをかけた。方程式を任せるに十分な実績、実力。すでに守護神候補に名前が挙がっていた平野佳に並ぶ存在と評価した。勝利の方程式、ダブルストッパーなど、構想をふくらませた。

 相思相愛の間柄だ。ダイエー(当時)入団時から、2軍監督として「活躍するまでのプロセスを見てきた」。馬原も「入団した頃の2軍監督で、すごく気に懸けてもらった。監督の垣根を越えて話をしてくれました」と指揮官に絶対的な信頼を寄せた。

 07年に最多セーブを獲得した実力はもちろん、野球に取り組む姿勢など、プレー以外の面でも、馬原エキスの注入を望んでいる。「常勝軍団のなかで、杉内や和田よりも存在感が大きかったのではないか。時間を共有することで、金子や岸田、平野らもレベルが上がる」。

 12年2月に手術した右肩についても、問題なしと判断した。佐賀で自主トレ中の馬原も「手術明けの選手をとってくれたことに驚きました。普通に投げられるし、肩はまったく何もないですよ」と順調な回復を口にした。

 順調なら今季中に国内FA権を取得。オフの去就問題もはらむが、おもわぬ“大物”獲得を追い風にしたい。最下位からの逆襲プランが鮮明になってきた。【池本泰尚】

 ◆馬原孝浩(まはら・たかひろ)1981年(昭56)12月8日、熊本県生まれ。熊本市立-九州共立大を経て03年自由枠でダイエー(現ソフトバンク)入団。2年目の05年から抑えに転向、07年に38セーブで最多セーブ。通算180セーブはプロ野球7位、国内現役では中日岩瀬に次ぎ2位。181センチ、80キロ。右投げ右打ち。