3連発だ!140メートル弾だ!

 阪神の新外国人ブルックス・コンラッド内野手(33=レイズ)が2日、沖縄・宜野座球場で2日連続のランチ特打に臨み、両打席50スイングで8本の柵越えを放った。右打席では3連発&推定飛距離140メートルの特大弾も記録。身長178センチと助っ人としては小柄だが、4番候補のパワーを見せつけた。

 コンラッドの青空劇場に観客6000人は首ったけだ。気温27度の快晴。汗ばむ宜野座でショーが終わると、球場全体から拍手が湧き起こる。新助っ人はそり上げた頭を下げ、観客席にペコリとお辞儀。カーテンコールで締めくくった。

 コンラッド

 昨日はタイミングがずれていた。今日は昨日と比べて2人ともいいスイングができて、スタンドを喜ばせられたかな。

 キャンプ初日から2日連続のランチ特打。前日1日は55スイングし、左打席で柵越え2発どまり。2日目の覚醒は衝撃的ですらあった。通常は素手でバットを握るスタイル。左手人さし指付け根のマメがつぶれかけのため、手袋を装着して準備完了だ。マートンと交互に1カ所でフリー打撃を開始。計50スイングで8発の内容が際立っていた。

 「まだ右の方が左より進んでいる」の言葉通り、右打席で爆発。12スイング目からボール1球を挟んで3連発だ。3発目の打球は左翼席後方の防球ネット下部まで届く推定飛距離140メートル弾。直後にマートンも3連発を決め、歓声とどよめきで球場は大騒ぎだ。ライナーでも左中間席に突き刺し、右打席24スイングで6発を放った。

 左打席は打撃投手との兼ね合いで「リトルリーグ以来、試合ではない」という左投手を相手に26スイング。「基本は左に左で打つことはないんだけどね。今日は体が開かないように意識したよ」。こちらはシャープな打撃でバックスクリーン弾を含む2発を決めた。

 もともとは右打者。リトルリーグ時代に両打ちの練習を始め、「高校に入る1年前に」スイッチヒッターに転向した。178センチ、86キロと助っ人にしては小柄だが、メジャー通算18本のパワーは本物。新井、鳥谷と並ぶ4番候補の本領発揮に、指揮官の言葉も自然と弾む。

 和田監督

 昨日より今日の方がはるかに振れている。やっぱりパンチ力があるし、あとは変化球にどう対応するのか早く見たいな。

 初めて投内連係にも入り、三塁で無難な守備力を披露。現時点で不安点は少ない。左手のマメは完全につぶれ、今日3日からは素手スタイルに戻すという。「明日はテーピングして振るよ」。人懐っこい笑顔の正体はファイターでムードメーカー、そして大砲だとありがたい。【佐井陽介】

 ◆ブルックス・コンラッド

 1980年1月16日、米カリフォルニア州生まれ。アリゾナ州立大から01年ドラフト8巡目でアストロズ入団。アスレチックス、ブレーブス、ブルワーズを経て昨季途中にレイズ移籍。ブレーブス所属だった10年には、シーズン2本の代打満塁弾を放った。メジャー通算280試合で打率2割7厘、18本塁打、71打点。178センチ、86キロ。右投げ両打ち。一塁と二塁、三塁を守れる。背番号42。