マウンドでのふてぶてしさは“工藤級”です。ロッテのドラフト1位左腕松永昂大(たかひろ)投手(24=大阪ガス)が12日、打撃投手としてプロ入り後初めて打者を相手に投球を披露した。荻野貴、清田と主力を相手に37球を投げ、安打性の当たりはわずか5本。新人ながら益田、薮田らと守護神候補に名前が挙がる実力の片りんを見せた。

 伊東監督は入団時から「若い頃の(工藤)公康みたい」と評価する。最速151キロの直球と鋭いスライダーが持ち味で、工藤公康氏(49=本紙評論家)とタイプは違うが、そっくりなのはその度胸。昨年12月の入団会見ではセールスポイントを「ふてぶてしさです」と繰り返した。日本ハム大谷に対しても「打たれません」と即答。スライダーを打たれる想像ができないと話す。指揮官は「思い切った発言は自信の裏返し」と「新人類」と呼ばれた工藤氏のような姿勢を絶賛した。

 この日、視察に訪れた工藤氏は「腕の振りが良く、下半身の動きがいいので球に力がある」と評価。ふてぶてしさについては「何を大事にしないといけないか本人が分かっていれば大丈夫」とエールを送る。今キャンプでは「出せないでしょ」とふてぶてしさは隠れているが、マウンドで“大事な物”が出てくれば守護神への道は近づいてくる。【島根純】