<ソフトバンク1-9楽天>◇3月31日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが連敗でこまっちゃうナ?

 打線は楽天美馬に8回まで無得点に抑えられ、投手陣も今季最多9失点と炎上。1勝2敗で、福岡移転元年の89年以来、24年ぶりの開幕カード負け越し。1回の先制機を併殺でつぶした場面に秋山幸二監督(50)は思わず「こまっちゃう」と漏らした。明日2日から西武、日本ハム相手のビジター6連戦で巻き返す。

 珍しく敗戦に多弁だった。秋山監督は開口一番「何もない、いいことが」と息を吐きだし、ひと呼吸置いて「初回だろうな」と続けた。勝者と敗者を分けた1つの分岐点を振り返った。

 1回。二塁打の本多を犠打で進め、内川は四球。1死一、三塁で主砲ペーニャだ。フルカウントから内川はチーム方針に従って自動的にスタートしたが、ペーニャが、ど真ん中のスライダーにまさかの見逃し三振…。

 嶋からの二塁送球に内川は「あのまま行ってもアウト」と急停止した。ベンチのサインは「捕手が投げたらゴー」。足のある三塁走者の本多は本塁を狙ったが、西田から嶋への好返球もあり、三本間で挟まれ、アウト。先制機は併殺でつぶれた。

 秋山監督はボヤく。「ポンちゃん(本多)の思い切りだけでしょ。あそこはもう(本塁に)行かないといかん。(二塁送球が)あの高さで入って、なあ…」。アウトになる可能性が高そうでも、勝負を望んだ。主砲にも注文だ。「その前にペーニャがど真ん中を見逃している。そこが一番の問題。そこ、こまっちゃう」。確かに言った。山本リンダのデビュー曲「こまっちゃうナ」を想像させる、おちゃめな言い回し。苦い黒星とのコントラストが怒りを浮き上がらせた。

 2回以降は流れが楽天へ渡り、本当に困り果てた。チャンスをつぶした直後に武田が連打で先制され、5回持たず5失点KO。打線は8回まで美馬から得点できず、9回に完封逃れの1点が精いっぱい。「向こうの投手というよりバッテリーがよく研究して崩しているな」とうならされた。

 昨年も9勝13敗2分けとパで唯一負け越した課題の楽天戦で、連敗。24年ぶりの開幕カード負け越しという珍事だ。3連戦で、ペーニャと新助っ人ラヘアで合計3安打1打点。一方、ジョーンズとマギーの楽天コンビは合計6安打4打点。力水をつける形となり、秋山監督は最後まで困った顔だった。【押谷謙爾】

 ▼ホークスの開幕3連戦負け越しは、日本ハムに●●○(東京ドーム)だった89年以来、24年ぶり。このシーズン最終成績は4位(59勝64敗7分け)。