日本一のシナリオで、DeNAブランコを徹底封じする。ソフトバンクは今日22日からヤフオクドームにDeNAを迎えて2連戦。44試合で20本塁打する相手4番を警戒し、ストライク勝負せず四球も辞さずの構えで臨む。中日時代のブランコには11年日本シリーズで四球でじらしてかく乱した。大舞台での戦法を再現し、被害は最小限に食い止める。

 逃げるが勝ち、の格言もある。今のブランコにソフトバンクは、四球も辞さぬボール球徹底じらし作戦に出る。

 ピンポン球のように場外へ打球を飛ばすブランコの映像をチェックした。捕手細川は「打ちたがりなので、そこをうまくついていきたい。ボール球を振らせて。歩かすこともある」と打ち出した。リーチが長いことも踏まえ「単打ならOK」と、内、外、低めにボール球を散らすつもりだ。

 来日5年目で年々進化している。中日時代の昨年交流戦では4試合で3割8厘。ナゴヤドームでの2戦で1本塁打を含む3安打5打点と打ち込まれた。この時、四球は0だった。

 一方で日本一になった11年日本シリーズでは、7試合で打率2割5分、0打点とまったく仕事をさせなかった。第3戦から毎試合1四球で計5四球と効果的に歩かせた。7戦中5戦でスタメンマスクをかぶった細川が、その再現を狙う。

 今日先発の寺原も呼応した。「高さを間違えないようにしたい。ちゃんとコースを使っていかないと」。特に注意するのは内角への見せ球で「シュート、内角の真っすぐでもボール要求の場合なら厳しくいく」と甘くならないよう戒めた。「初戦だけじゃない」と先陣を切る自覚もある。日本シリーズ戦法で好調の助っ人砲から逃げ回り、DeNAから連勝すれば、貯金生活が待っている。【石橋隆雄】