「G倒」がダメなら「緊急特訓」だ。阪神藤浪晋太郎投手(19)が今日4日に出場選手登録を抹消され、再生プランに取り組む可能性が出てきた。プロ初ナイターで伝統の一戦デビューとなる予定だった3日巨人11回戦(甲子園)は雨天中止となり「残念です」とがっくり。仕切り直しの次回登板は14日DeNA戦(甲子園)となる見通しで、間隔を開けて球宴前に5勝目を目指す。

 まさに、水を差された。藤浪が復活の5勝目、江夏以来の高卒新人G倒デビューを飾るはずだった3日巨人戦は、雨天中止となった。ここ4戦勝ち星がない右腕にとっては、何よりも欲しい白星も仕切り直し。中西投手コーチは「雨は関係ない。もう次は決まってるから、影響はない」と今後について話した。

 「巨人戦で復活」のシナリオは、「特訓」に書き換えられた。次回は水曜日ではなく、その先の日曜日となる14日DeNA戦(甲子園)に向かう見通し。スライド登板やリリーフ待機などはなく、1度、出場選手登録を抹消して再生に専念する可能性もある。

 対戦相手の巨人が練習していた午後4時半ごろ、突如バケツをひっくり返したような豪雨が甲子園を襲い、試合中止が決定した。クラブハウスで準備を整えていた藤浪は、球団広報を通じ「残念です」とコメントを残した。そう思うのも無理はない。リフレッシュの意味も込め、初めての中9日で送り出されたマウンドだ。しかも初の伝統の一戦で、気合の入り方も違っていた。

 練り直された、再生プラン。今日4日に抹消すれば、次回予定の14日に再登録が可能になる。前回登板(6月23日DeNA戦)から実戦マウンドは実に中20日と空く。これまでのように1軍に同行しながら、じっくり時間をかけて調整することになりそうだ。

 最後に勝利を挙げた5月26日の日本ハム戦もそうだった。5月上旬に背中から腰にかけての張りを訴え、同12日ヤクルト戦(松山)の先発を回避。その際は1軍に同行しながら回復を図り、万全の状態で日本ハム大谷との初対戦に臨んだ「成功例」がある。今回もフォーム修正や休養にあて、万全を期して出直す。

 大注目だった伝統の一戦デビューが幻となった分、復活の5勝目へ条件は整った。これで、監督推薦された球宴までラスト1試合。定位置だった日曜日先発に戻って、大阪桐蔭から無敗を誇る甲子園に、ここまで2勝を挙げるDeNAを迎える。藤浪が、復活へ10日間の緊急特訓に臨む。【山本大地】