中日のスーさんこと鈴木義広投手(30)が28日、“こんぴら父娘トレ”で新年をスタートする計画を明かした。年末に帰省する香川の実家は、こんぴらさんで有名な金刀比羅宮まで車で10分の距離にある。もちろん元日の初詣は子どものころから恒例行事。来年は2歳の1人娘を抱きかかえ、本宮まで785段ある石段を登って参拝するという。

 鈴木義

 1歳だった今年も抱いて上がりましたが、腕と足がパンパン。いいトレーニングになりますよ。

 土産物店や灯籠が並ぶ風情ある参道は、全国からやってくる参拝客でごった返す。本宮までは片道約30分だが、途中には急な石段もある。子どもを抱いたまま上がるのは、プロ選手でも結構キツそうだ。しかも1歳と2歳では体重も大違い。でも、重くなった子どもの成長を肌で感じながら登る一段一段が、巻き返しの力を与えてくれそうだ。

 鈴木義

 やるしかない。チームが優勝するために、何ができるかを考えたい。

 貴重な変速の中継ぎ右腕だが、今季は15試合で0勝1敗、防御率3・45。2年連続不本意なシーズンを送った。だが契約更改では落合GMから「もっとマウンドで暴れていたろ?」と復活への金言を授かった。落合監督時代の11年は55試合&防御率1・08のキャリアハイでリーグ優勝に貢献。荒々しさを取り戻しての11年再現が目標だ。

 来季はドラフト1位の同姓投手、鈴木翔太(18=聖隷クリストファー)も入ってくるだけに負けられない。この日でナゴヤ球場の年内自主トレを打ち上げ、いざこんぴらさんへ。愛娘のためにももう1度輝く。【松井清員】

 ◆金刀比羅宮(ことひらぐう)香川・仲多度郡琴平の琴平山(象頭山)の中腹に鎮座する神社。本宮は石段785段、海抜251メートルのところに建つ。御祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)と崇徳天皇。奥社と呼ばれる厳魂神社は、1368段上った海抜421メートル地点にある。映画「瀬戸内少年野球団」や「男はつらいよ寅次郎の縁談」などのロケ地にもなった。

 ◆鈴木義広(すずき・よしひろ)1983年(昭58)1月5日、香川県生まれ。多度津工から中部大へ進み、ノーヒットノーランなど愛知大学リーグ18勝。04年ドラフト5巡目で中日入団。同年の中日優勝パレードでは警備員のアルバイトをしていた。1年目から主に中継ぎで47試合に登板。浅尾へのつなぎ役を務め3度のVに貢献。フォームがカニに似ていることから、11年優勝のビールかけはカニの被り物で登場。188センチ、88キロ。来季推定年俸は25%減の3150万円。