お年玉とばかりに、大盤振る舞いだ!

 西武伊原春樹監督(64)が2日、西武所沢店で行われた新春イベントに出席。抽選で選ばれた150人のファンの前で、同席した主砲・中村剛也内野手(30)を4番に据えた開幕オーダーと、2年連続で岸孝之投手(29)を開幕投手に抜てきすることを明言した。うま年だった02年は、第1次政権の初年度で90勝を挙げてリーグ制覇。吉兆の「うま年」だけに、早すぎる大胆予告で新年の幕開けを告げた。

 自信に満ちた大胆予告だった。トークショーの壇上。伊原監督は、司会者から開幕オーダーの構想を問われると「もう決まっていますよ」と即答した。1番栗山から始まるオーダーを包み隠さずに披露した。2番右翼は「熊代、斉藤、木村の中からキャンプ、オープン戦で結果を出してくれれば」としたが、4番には中村を指名し「日本の4番ですからね。守りはファーストで考えている」と、絶対的な信頼を寄せた。ラストバッターの金子まで野手の名前をズラリと挙げた。

 おめでたい正月となれば、それだけでは終わらない。「開幕投手は自然とそうなる。投手陣が岸しかいないと思っている。それでいいでしょう」と2年連続でエース岸に大役を任せることも明かした。伊原節は、まだまだ止まらず、最後は岸、岡本、牧田、菊池、野上、(グレグ・)レイノルズ(28=前レッズ)と、6人の開幕ローテーション投手まで、あっさりと披露。「いろんな考え方はあるでしょうが、浅村と2軍選手では明らかに違う。実績、積み上げてきたものの中で、横一線のスタートというのはあり得ない」と、ありきたりな「横一線スタート」を嫌った。

 早くも予告したオーダーは6年ぶりの日本一奪回に直結する。第2次伊原政権の初陣となる3月28日からの開幕カードは、本拠地で昨季の日本一楽天を迎え撃つ。ディフェンディングチャンピオンを倒し、一気に開幕ダッシュに持ち込みたいところ。後押しする吉兆データもある。過去「うま年」の90年、02年はともに好成績を残している。90年は日本シリーズで巨人を相手に無傷の4連勝で日本一、伊原監督が指揮した02年は90勝をマークし、16・5ゲーム差のぶっちぎりでリーグ制覇をしている。

 指揮官は「優勝することが当たり前の使命だと思っている。今年は間違いない。02年以来のうま年。選手はバンバン跳んでいきますよ」と真顔で言った。14年、伊原ライオンズがVロードを突っ走る。【為田聡史】

 ◆主な早い開幕通達例

 11年11月9日に楽天星野監督が12年の開幕投手について「開幕は田中だ」と明言。09年12月には当時の横浜尾花新監督が名前こそ明言しなかったが、「開幕投手は言ってある」と、三浦に通達したことを明かした(三浦がオープン戦不調で最終的にはランドルフ)。07年11月8日には日本ハム梨田監督がダルビッシュを指名。12年12月には巨人原監督が「内海しか、今のところいないんじゃないでしょうか、どう考えても」とコメント。直前までWBCに出場していたこともあり、宮国が開幕投手を務めた。