【グアム(米国)18日=久保賢吾】巨人山口鉄也投手(30)が、30歳の誓いとして、「生涯巨人」を宣言した。ダイヤモンドバックス傘下のマイナーから、育成選手で巨人に入団。昨季はプロ野球新記録の6年連続60試合登板を達成するなど、球界屈指のセットアッパーに君臨する。来季中にも国内移籍が可能なフリーエージェント(FA)権を取得するが、FA移籍、メジャー挑戦の意思はなく、巨人に骨をうずめる覚悟を示した。

 グアムの日差しが、体を照りつけた。体中から噴き出る汗が、自主トレの充実度を物語る。昨年11月に30歳を迎え、開幕する9年目のシーズン。30歳の誓いを問われ、山口は静かに、それでもはっきりとした口調で、熱く語った。

 山口

 僕は巨人に拾ってもらった選手。今、こうして好きな野球ができるのもそのおかげ。僕は必要とされる限り、ジャイアンツでプレーしたい。仮にですが、他球団やメジャーの球団が興味を持ってくれたとしても、その気持ちは変わりません。巨人に恩返しする、その思いだけです。

 来季中には国内移籍が可能なFA権を取得。順調にいけば、16年オフにもメジャー挑戦の可能性が出てくる。野球人として高みを目指すのは当然だが、山口にとってのそれは、ある男の存在だった。

 山口

 まだまだですけど、いずれは中日の岩瀬さんのように。常に安定した成績を残し、誰からも信頼される投手になれれば。究極の目標は、40歳を超えても今の位置で投げ続けることです。

 昨年4月、長男が誕生した。妻と子を支える自覚と責任感が、マウンドでのパフォーマンスを後押しする。異国の地でトレーニングする今、妻から送られる画像、動画を見ながら、過酷な練習に励む。

 山口

 本当に子供はかわいいです。この前、少し歩き始めたみたいで。この子のために、長く現役でいたいと思うようになったし、かっこいい父親でありたいなと思います。

 この日、最終クールがスタート。遠投では約100メートルの距離を豪快に投げ込んだ。周囲は7年連続の60試合登板を期待するが、山口自身はどう感じているのだろうか。

 山口

 チームに迷惑をかけてまで続けたいなんて、思ってません。でも、いろいろな方に支えられ、積み上げた数字。続けられるなら、続けていきたいです。

 謙虚な姿勢で取り組み、節制を重ね、成し遂げた金字塔。生涯巨人の最強セットアッパーが、強力リリーフ陣を支える。