ルール認識不足が嫌疑を招いた。DeNAが3日、出場選手登録の不手際でセ・リーグから指導を受けた。雨天中止となった巨人戦(横浜)で、予告先発のモスコーソを当初は登録せず、セ・リーグから指摘されるドタバタ劇。対戦相手の巨人からも厳しい指摘を受ける事態に発展した。

 初歩的なミスだった。セ・リーグから指摘を受け、慌てて追加手続きをとる不手際。高田GMは「うちのミス。我々はOKだと思っていたけど…。申し訳ないこと」と謝罪し、球団としての認識不足を認めた。

 平日ナイターの場合、出場選手の登録期限は午後3時。主催のDeNA側は、試合中止の最終判断をする運営会議を同時刻から開いていた。巨人戦ということもあって前売りも好調。2万人近くの集客が見込めており、営業サイドは開催を望んでいた。しかし、雨は午前中から降り続き、天候回復が望めなくなったことから、同会議は中止の方向で進められる予定になっていた。DeNAは「投手を登録しなければ野手を1日でも長く登録できる」(同GM)との考えから、午後3時直前に登録を見送る判断をした。しかし、中止の正式発表が午後3時以降になる場合は、予告先発投手を登録する必要があった。

 会議での中止決定後、巨人→審判団→NPBの順で連絡されたが、巨人側が中止を知ったのは午後3時5分。正式発表は同3時30分だった。同GMは「巨人どうこうじゃない」と、意図的でないことを強調したが、すでにセドンを登録していた巨人から、主催の利を利用したのでは、との嫌疑をかけられても仕方がなかった。中畑清監督(60)は何の意図もないと思う。ルールで決まっているなら(モスコーソを)登録するのは当然のこと」と話したが、中止の方向である旨を、同じタイミングで巨人側に伝えていれば防げた問題。認識不足と連絡不徹底が、後味の悪さを残した。【佐竹実】

 ◆出場選手登録

 支配下登録(70人以内)されたうち1軍の試合に出場できる選手のこと。1球団28人まで登録が可能。抹消された選手は、公示日を含めて10日を過ぎると、再登録できるようになる。