<ロッテ0-2ソフトバンク>◇13日◇QVCマリン

 ソフトバンク松田宣浩内野手(30)が、プロ野球通算9万5000号のメモリアル弾を放った。2回1死一塁からロッテ涌井の直球をバックスクリーンへ。先制11号2ランが2試合連続の決勝アーチとなった。「つぶやき打法」で5月は絶好調だ。首位を走るチームは3連勝。貯金を今季最多12に積み上げた。

 お祭り男にふさわしい記念の1発だった。松田がベース1周してベンチに戻ると、プロ野球通算9万5000号と初めて知った。「プロ野球の長い歴史の中で、多くの先輩たちが積み上げた数字。そんな中で区切りとなる本塁打を打ててうれしい。チームにとっても大きな1発になって良かった」。今年でプロ野球80周年。先人たちに敬意を払いながら、素直に喜んだ。

 会心の一撃だった。カウント3-1から、外寄り直球をガツン。ライナー性の打球はバックスクリーンにぶち当たった。「最高の当たり。ストレートを素直に打ち返せた」。11日西武戦も決勝アーチを放ったが、2回の第1打席は3-0から遊ゴロ併殺打。「強引に打って失敗したので、今回は1球我慢した」と、甘い球を待ってとらえた。5月は11試合で打率4割2分1厘、5本塁打、10打点とすべてチームトップ。この試合前もフリー打撃後に「今日もよう飛んだわ」と上機嫌だった。

 ミラールームに入ると「ライナー、ライナー!」と言いながら素振りをブンブン。「今はどんなボールでもライナーを打つ意識でやっている。すると自然とそういうスイングの軌道になる。高めだとたたく、低めの変化球は粘る」

 4月下旬から始めた打席での足踏みも意識するため、今は打つ前に「足踏み、ライナー」とつぶやいている。この日の打球は理想。「ああいう打球で入るのが一番うれしい」と力を込めた。ちなみに記念球は「もらってない。バックスクリーンにあげた」。上機嫌でジョークも飛び出した。

 交流戦前の今回の敵地6連戦。選手会長の松田は「大事な6試合。勝ち越しはもちろん白星を積み上げたい」と位置づけた。ホームで強いが、ロードもこれで9勝8敗1分けと勝ち越し。優勝候補に死角がなくなってきた。【大池和幸】

 ▼松田が2回に放った11号がプロ野球通算9万5000本目の記念アーチとなった。プロ野球1号は36年5月4日に藤井勇(タイガース)がセネタース戦で野口明から打ったランニング本塁打で、13日終了時点の通算本塁打は9万5005本。内訳は1リーグ時代に2653本、セ・リーグで4万6448本、パ・リーグで4万5904本。