日本ハム大谷翔平投手(19)が、本拠地・札幌ドームを「独り舞台」にする。今日20日からスタートする「2014

 日本生命セ・パ交流戦」の中日戦(札幌ドーム)で「開幕投手」を務める。今季はパ・リーグ主催試合でDH制を採用しない特別ルール。本拠地ファンの前で、初めて投手として打順にも顔を並べる大谷は19日、札幌市内の室内練習場で軽めの調整を行い、投打両面での活躍を誓った。

 “誘導尋問”をサラリとかわしながら、それでも大谷は自信をのぞかせた。交流戦のMVPを獲得した選手に、賞金が用意されているという話を聞いたときだ。「獲得宣言」を期待する報道陣を見てクスッと笑った。「MVPはどうでもいいです…けど、それくらいの活躍ができればいいですね。登板も打席もいつも楽しみ。交流戦の一番最初なのでしっかり仕事をしたい。勝てればチームも自分も乗っていける」。本拠地・札幌ドームで初めて投手として打順にも入る今日20日中日戦へ気持ちを高めた。

 MVP級の印象を残すには、誰もまねできない投打両方での活躍が一番の近道。先発投手として打席にも立ったのは過去1試合のみ。「5番投手」で出場した昨年6月18日の広島戦だが、第1打席に二塁打を放ったものの、投手としては4回3失点で降板し、不完全燃焼に終わった。

 反省を生かし「まずは投手でしっかりと抑えることが前提」としながらも、打率3割4分3厘、1本塁打、12打点と打席でも貴重な戦力。負担を考慮され、今季の定位置である3番(野手先発16戦中14試合)よりも打順は下位で起用されそうだが「(打席に)立つ場合はしっかり、その場面で結果を残したいです。打てば自分も助かる。なので得点につながるように頑張りたいです」と意気込んだ。

 投打「二刀流」をこなしながらローテ投手としての責務を果たしていることも証明することができる。6回1/3以上を投げれば、入団以来初めて規定投球回数に達する。「連戦の初戦でもあるし、なるべく長い回を投げられれば」。救援陣を休ませるためにも、打って自分を援護し楽な展開に持ち込む。

 昨年6月1日、中日相手にプロ入り初勝利を挙げ、大谷の「二刀流」挑戦は本格的に幕を開けた。今日20日の同戦もまた、節目の忘れられない一戦になるはずだ。【本間翼】

 ▼日本ハム大谷が今日20日の中日戦で6回1/3以上を投げると、今季通算44イニングとなり、プロ入り初めて規定投球回に達する。現在の防御率は2・63。これはパ・リーグ投手成績の8位に相当しており、結果次第でランキング上位に顔を出すことになりそうだ。一方で打率3割4分3厘と好成績を残している打撃は19日現在、通算77打席で規定打席(134打席)には57打席足りない。