連敗ストッパーは、ルーキー右腕に託された。広島のドラフト2位九里亜蓮投手(22)が明日12日、西武戦(西武ドーム)に先発する。先発予定だったエース前田健太(26)が左脇腹の違和感で回避。チームの連敗を6で止める使命を背負う。同1位大瀬良大地投手(22)も「次回、チームが勝てる投球をしたい」と気持ちを引き締めた。

 試練もチャンスととらえよう。泥沼の連敗から、チームを救う。エースが担うはずだった使命は、九里の右腕に託された。

 中5日での登板は、先発に限れば自身初。「登板間隔が開こうが短くなろうが、与えられたチャンスでしっかり投げたい」。この日のマツダスタジアムでの練習後、九里は自分の責任についてしっかりと話した。「気負って投げても、自分の持っている力以上のものは出せない」と冷静だった。

 4月19日DeNA戦(横浜)を最後に勝ち星から遠ざかっているが、5月は先発として安定した投球を続けてきた。前回登板の今月6日ソフトバンク戦は3回9失点(自責2)と、プロ入り後最多失点。名誉挽回の機会が1日早く巡ってきた。

 プロでこそルーキーだが、昨年まで大学球界最強チームのエース。亜大の連覇に貢献し、昨秋の明治神宮野球大会で頂点に立った。チームの危機を救う大黒柱の責任の重さは、身に染みている。リーグ戦6連覇で、きょう11日に全日本大学選手権初戦・創価大戦を迎える後輩には花を贈った。後輩たちに負けられない正念場の週になる。

 大瀬良も気持ちを引き締めた。「ぼくができることは次に向けてしっかり準備をして、チームが勝てる投球をすること」と、次回登板が予想される14日ロッテ戦(QVCマリン)を見据えた。10日現在の球宴ファン投票は、前日の第1回発表時からさらに5000票以上得票を伸ばし、3万5131票でセの先発トップに座る。新しいリーグの顔として、自身の連敗も2で止める。【堀まどか】