<日本ハム4-7楽天>◇2日◇札幌ドーム

 楽天に粘りが出てきた。7回から9回までの終盤だけで7点を奪い、日本ハムに逆転勝ちした。2度にわたり許した2点リードを、打線がつないでひっくり返した。3連勝は、7月15日以来となる今季4度目。星野仙一監督(67)にとっては、開幕カード以来だ。借金も20を割った。徐々にだが、チーム状態は上向きだ。

 嶋の打球には勢いがあった。2点を追う8回、銀次の二塁打と島内の犠飛で同点。なお2死二塁だった。「前の打者が必死につないでくれたので、僕も次につなぐ気持ちで打席に立ちました」と流れに乗った。カウント2-0からの3球目。日本ハム鍵谷の抜けたスライダーをおっつけ、右越え二塁打を放った。勝ち越しに成功し、二塁上でピースサイン。素直に喜んだ。

 粘りが出てきた。1カ月半ぶりの3連勝は、全て逆転で勝利している。8月30日ソフトバンク戦は、1点を追う7回に一挙8点を奪った。同31日の同戦は、土壇場9回に追いつき、延長12回にサヨナラ勝ちした。そして、この日は7回以降だけで7得点。星野監督も「(粘りが)出てきたな」。終盤の逆転が多かった昨季の強さが戻りつつある。

 各打者も、手応えを感じている。クリーンアップの3人は口をそろえた。

 3番岡島豪郎外野手(24)

 9回にリードを2点に広げる右前打を放ち「(粘りは)感じます。ああいうところ(9回1死二塁)で打てたら一番良い。勢いに乗っていきたい」とうなずいた。

 4番アンドリュー・ジョーンズ外野手(37)

 終盤3打席全てで出塁。いずれも点に絡んだ。経験豊富な主砲は「投手が試合をつくってくれているから、攻撃陣も雰囲気が出る」と、投打のかみ合わせを強調した。確かに、先発松井裕は四球絡みの失点という反省点は残るが、6回2失点。大きくは崩れなかった。

 5番銀次内野手(26)

 同じく、終盤3打席全てで出塁し点に絡んだ。二塁打2本に四球で「みんながつないでくれたので。3番から5番が打つと、点は入りますね」と、責任感をにじませた。

 サヨナラ勝ち翌日の勝利は、今季5度目で初めてだった。今日も勝てば、今季初の4連勝が待っている。田代打撃コーチは「ぜいたくを言えば、先発に勝ちをつけないと」と注文を忘れなかった。終盤の粘りを序盤から出せれば、連勝街道は続く。【古川真弥】