虎はナカジに「城島級」のロング契約!!

 阪神は米アスレチックスからFAとなった中島裕之内野手(32)の獲得に向けて、最大4年10億円超の複数年契約を用意していることが3日、分かった。古巣西武も熱烈なラブコールを送っており、強力なライバルとして立ちはだかる。今日4日の交渉解禁を控え、この日までに球団内で中島獲得に要する予算を設定。阪神では09年にマリナーズから入団した城島と同等の長期契約を整え、本気度を示す。

 意中の“恋人”を振り向かせるため、虎が最大限の誠意を尽くす。海外FA権行使を決断した鳥谷のメジャー挑戦が濃厚な状況で、かねてから獲得を目指していた中島が今オフ補強戦略の目玉になる。球団首脳は「西武に負けない条件を出すつもり」と語気を強めた。

 日本球界復帰も視野に入れる中島については、今日4日に日米球団との交渉が解禁。中島争奪戦はゴング寸前だ。12年オフに大リーグ挑戦後、早くから獲得調査を進めていた阪神に立ちはだかるのが西武だ。中島にとって愛着のある古巣は3年以上の複数年契約を用意。あらゆる情報を勘案した上で、阪神はさらに好条件を提示する構えだ。

 争奪戦に備え、阪神は、この日までに獲得資金に関する予算を組んだ。最大4年の長期契約が熱意の表れだろう。メジャーリーガーが日本球界に復帰した数々の大型契約と比較しても、遜色はない。阪神では、12年オフに2年契約を結んだ前ツインズの西岡や、3年契約を結んだ前ヤンキース3Aの福留のケースを上回る。最大4年の契約年数を準備。09年にマリナーズから阪神入りした城島と同じ長期契約を想定している。

 地元の兵庫・伊丹市出身で西武ではパ・リーグを代表するスター選手に成長した。日本では通算打率3割2厘、162本塁打をマーク。13、14年はマイナーでのプレーが続き、メジャー昇格を果たしていない。9月にプレーオフで左手首を骨折してリハビリ中だが来季のプレーに支障はない。長打のある右打ちのスラッガーは、阪神では長年、不在のタイプ。三塁のほか、遊撃も守れる器用さも来季の戦力を占う上で貴重だ。

 早くから調査を続けてきた阪神は、伝統の背番号も用意する。掛布DCが現役時代に背負った「31」のほか、鉄人金本知憲氏の「6」も候補。重みのあるナンバーも期待の表れ。交渉解禁後に即アタックする方針だ。タイガースの将来を託す4年の長期契約、そしてレジェンド級の背番号…。常勝軍団を目指す球団が、総力を挙げて情熱を示す。

 ◆中島裕之(なかじま・ひろゆき)1982年(昭57)7月31日、兵庫県生まれ。伊丹北から00年ドラフト5位で西武入団。高校では主に投手で、プロ入り後に遊撃手転向。04年にレギュラー定着。08年北京五輪、09年WBC日本代表。09年最多安打、08、09年最高出塁率。ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞3度。12年オフに大リーグ・アスレチックスと2年契約。13年は左太もも裏の故障のため開幕を3Aで迎え、メジャー出場なし。2年目の今季は4月に2Aに降格したまま、2年連続メジャー出場の機会はなかった。マイナー通算175試合、10本塁打、69打点、打率2割6分7厘。181センチ、90キロ、右投げ右打ち。