阪神和田豊監督(52)が4日、電鉄本社で坂井信也オーナー(66=電鉄本社会長)にシーズン終了の報告を行った。「最後までよく頑張ってくれた。ただ、7ゲーム離されての2位という現実を受け止めながら前に進んで行ってほしい」。オーナーからこう言葉をもらったという指揮官は来季へ向けて日本シリーズ敗退で思い知らされた守備、走塁の強化を挙げ、大和外野手(27)に秋季キャンプで遊撃手の練習を課すプランも示した。

 「勝負どころになるとチーム全体で硬くなったり重くなったりする中、CSという大舞台で躍動感のあるプレーができた。殻を1つやぶれたかな」

 昨年と同じ9月の失速を反省しながらも、和田監督はその後のCSを突破したことでレベルアップを感じていた。その上で日本シリーズでさらなる教訓を得たという。

 「甲子園でもヤフオクドームの動きを見ても、守備走塁が大事だと。器の広い球場を本拠地にしている以上はね」

 11月中旬にも合流する予定の高知・安芸での秋季キャンプで第1歩を踏み出す。その中の目玉の1つが大和だ。中堅手として華麗な守備を見せてきたが、遊撃の練習を課すプランがあるという。

 「(鳥谷が)出て行ったらというのは考えたくない。ただ、そうなったときのことも考えていかないと。巨人もそうだったけど、控え層の厚さも大事。そういう部分の1つかな」

 本来、遊撃手として高い守備力を持つ大和の内野カムバックは、チームとしての守備力を上げ、層を厚くし、鳥谷流出の備えにもつながる。指揮官の頭は早くも来季へ動き出していた。【鈴木忠平】