中日のセットアッパー又吉克樹投手(24)が年俸376%アップの大出世を果たした。20日、名古屋市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、840万円から3160万円増の年俸4000万円でサインした。

 「とりあえず0の数を数えました。こんなにもらえるのか、と。感無量です」と笑みを浮かべた。投手の昇給率では球団史上最高417%だった昨年の岡田に迫る。驚くのも無理はなかった。1年目から67試合で9勝1敗、防御率2・21とフル回転。新人王は逃したが、2年目の福谷とともにブルペンを支えた。

 交渉の席に落合GMは不在だったが、西山球団代表は「勝っていく上で重要な位置を占めてくれた。当然の評価。彼がいなければこの位置(4位)にいられたか分からない」と手放しで評価。独立リーグから入団して自身も「想像しなかった」スピード出世だった。

 「激動の1年でした」。オフは約1カ月半、ドミニカ共和国のウインターリーグに参加し、さらに17試合に登板。確かに忙しすぎた。「まず精神的な疲れから抜きたい。それから体のケアをしたい」と話した。

 がむしゃらに走り続け、こんがらがった頭を整理するためにノートを活用。これまでランダムに書き留めていたが、オフを利用して1項目ずつ整理している。「あのとき何をしていたか、どう考えていたか。動画を見て思い出したりしている。今年の経験を無駄にしたくない」。気が付けばキャンプインまで1カ月と少し。少ないオフを来季の準備に費やす。【柏原誠】