スラッガーの怪力で三塁争い殴り込みや!

 プロ2年目の阪神陽川尚将外野手(23)が23日、1軍キャンプのメンバーに抜てきされた。宜野座の青空にどれだけアーチを描けるか。狭き1軍の門を前にして、陽川は力強く言い切った。

 「打撃はもちろん、いろんな面でアピールできるようにしたい。最初からどんどんやっていかないといけない。ゆっくりとはいかない。初日からどんどんいけるようやっていきたい」

 昨季、1軍とは縁がなかった。だからこそ、スタートダッシュが肝心だ。師匠の掛布DCも「陽川に関してはキャンプ初日からガンガンガンガンやって、最初から目立たないと」と奮起をうながす。インパクトを与えられなければ淘汰(とうた)される世界なのだ。

 チームで数少ないスラッガーの右打者として期待は大きい。昨年11月の安芸キャンプでは規格外のパワーを発揮。和田監督を「1軍でもなかなか飛ばないような打球だった。とらえた時の打球は目を見張るものがあったな」と言わしめた。キャンプの「MVP」を戴冠した逸材が、三塁の定位置争いにも初参戦する。

 今成、新井の有力候補がしのぎを削るが、決め手を欠く状況だ。陽川が持ち前のパンチ力で猛アピールすれば、一気にレギュラー最右翼に浮上する可能性も秘める。「同じポジションなので、もちろんライバルでもある。経験に関しては今成さんが上。見て勉強しないといけない」。一気に突き抜けられるか。下克上のビッグチャンスだ。【酒井俊作】