<明治神宮大会:三重中京大6-4京都学園大>◇10日◇大学の部1回戦◇神宮

 今秋ドラフトで、楽天から2位指名された三重中京大(北陸・東海3連盟)の則本昂大(たかひろ)投手(21=滋賀・八幡商)が、全国初勝利を挙げた。京都学園大(関西5連盟第2代表)戦で、8安打4失点(自責1)完投。最速151キロをマークした直球に、3種類のスライダーを織り交ぜ、12三振を奪った。「相手が変化球を狙っていたので、後半は真っすぐで押した」。チームも準々決勝に駒を進めた。

 恵まれない環境を逆に利用した。同校は来年3月に閉校予定で、部員は4年生24人しかいないが「人数がいない分、投手は特に練習が自由にできた。走り込みとかを考えてやって。それが自分に合ってた」。フォームも上手からスリークオーターに我流で変え、140キロ程度だった直球は4年間で154キロに達した。この日も130球を超えた終盤に、常時140キロ台後半の直球を投げ続けた。

 4-3の8回2死三塁では「一番自信のある球で勝負したかった」と8球続けた。「ピンチの方が気合が入る」という闘志全開の投球スタイルを貫いた。楽天星野監督は「抑えもできるかもしれない」とリリーフとしての可能性も感じており、則本も「先発への思いもあるけど、任されたところをやる」。頂点まであと3つ。杜(もり)の都へやってくる前に、母校に恩返しをしたい。【今井恵太】