来年2015年ドラフトは打者に好素材が目立つ。

 その中でも目玉は明大・高山俊外野手(3年=日大三)だろう。1年春からレギュラーとなり、ここまで積み重ねた安打は96本(23日現在)。今週末の立大戦(最低でも2試合)で4本以上を放てばリーグ史上初めて3年時で通算100安打達成となる。181センチ、84キロ、右投げ左打ち。通算本塁打は6本だが、打った瞬間それと分かる豪快な打球が多く長打力も十分。日大三では3年夏の甲子園優勝に貢献。当時もプロから注目されていたが、大学でさらにスケールアップした。

 高山に続くのが同じ東京6大学の慶大・谷田成吾外野手(3年=慶応、183、87、右左)だ。高校時代に通算76本塁打。慶大進学後も「ヨシノブ2世」の期待を裏切らず、ここまで通算9本塁打(23日現在)をマーク。飛距離は高山以上で天性のアーチストと言っていい。

 立大・大城滉二内野手(3年=興南、175、71、右右)も好選手。東京6大学の安打製造器で守備もうまい。高山と日大三のチームメート、慶大・横尾俊建内野手(3年)は持ち前の長打力に磨きがかかってきた。

 東都では青学大・吉田正尚外野手(3年=敦賀気比、172、73、右左)がNO・1。鋭いスイングから放たれる打球は速く、飛距離も出る。 打席に入ると相手守備陣がMLB並に「吉田シフト」を敷くこともある。今秋は駒大・今永から本塁打も放った。ほかに亜大・藤岡裕大内野手(3年=岡山理大付、177、73、右左)もスピード豊かな好選手。1年春から三塁のレギュラーを奪い強肩、俊足。球際に強い守備に一発長打もある打撃は魅力十分だ。

 高校生では早実の「王2世」、加藤雅樹捕手(185、87、右左)に注目。1年時から主軸を任され今年は捕手に転向。最近はやや上げる高さを控え気味のようだが一本足打法から長打を連発する。守っても強肩。

 智弁和歌山の山本龍河外野手(183、83、右左)も天性のホームランバッター。今春センバツでは豪快な一発をたたき込んだ。

 関東第一のオコエ瑠偉(るい)外野手(183・83、右右)は俊足、強肩、強打の大型外野手。ナイジェリア人の父を持ち高い身体能力を生かしたプレーは観客を魅了する。東海大菅生・勝俣翔貴投手兼外野手(179、78、右左)は投打二刀流の好選手だ。

 投手も人材豊富だ。

 ドラフト1位候補に挙がるのが駒大・今永昇太(3年=北筑)と明大・上原健太(3年=広陵)の大学生左腕コンビ。今永は今秋チームを13年ぶりの優勝に導く活躍を見せた。140キロ台後半の直球にツーシーム、スライダーなどで三振も取れるし、打たせて取ることもできる。完成されたサウスポーだ。一方の上原は190センチ、86キロの恵まれた体から角度ある直球と変化球が武器。ここまで(23日現在)通算8勝(6敗)とやや伸び悩みが気になるが素材は今永以上の逸材だ。

 右腕では1年秋の神宮大会でノーヒットノーランを達成した富士大・多和田真三郎(3年=中部商)、仙台大・熊原健人(3年=柴田)、東海大・吉田侑樹(3年=東海大仰星)、帝京大・西村天裕(3年=和歌山商)、福岡工大・笛田怜平(3年=鹿児島南)も上位候補か。5人はチームのエースとして実績も十分。

 日大三で夏の甲子園優勝した早大・吉永健太郎投手は伸び悩んでいる。1年時に7勝を挙げたが2年時は3勝、今年は秋の早慶戦を残しているがまだ白星がない。復活が待たれる。

 高校生では東海大相模・吉田凌、県岐阜商・高橋純平の両右腕がビッグ2か。吉田は今夏神奈川大会決勝で20奪三振。高橋は150キロ台の速球が武器。身長182センチの本格派だ。

 社会人では今年は残留となった新日鉄住金かずさマジックの左腕、加藤貴之投手(拓大紅陵)、NTT東日本・横山弘樹投手(桐蔭横浜大)、JR東日本・関谷亮太投手(明大)、ホンダ熊本・狭間正行投手(九州共立大)日本生命・上西主起外野手(中部学院大)らが注目される。