話題の「宇田川会」の真相は-。侍ジャパン強化合宿で初の休養日となった20日夜、投手陣全14人が参加した焼き肉会が開催された。ベールに包まれた食事会の席順と焼き担当が選手の証言から浮かび上がってきた。ダルビッシュ有投手(36)がMCとなって場を回し、最後は人見知りの宇田川優希投手(24)をセンターで腕組みさせて記念撮影。「投手会」ならぬ「宇田川会」と記してSNSに投稿し、投手陣の仲を一気に深めた一夜に迫る。【企画・構成=侍ジャパン取材班】

ダルさん、こちらへどうぞ。日本球界を代表する投手陣が、一列横並びになったテーブルへあちこちに散らばった。しきたりに倣って、ダルビッシュら先輩は上座へ。同卓の伊藤は「栗林さんのところに行こうとしたらそこに松井さん、栗林さん、大勢だった。これは入れない…」と圧? に戸惑っていると、運良く師匠と同じ特等席をゲット。焼き担当は湯浅に任せて「ディープな話をしてました(笑い)」と明かした。

人見知りでモジモジしていた宇田川を、近くにいたダルビッシュが救った。宇田川卓になった高橋奎、山本、戸郷らに話を振って、宇田川からも本音を引き出した。記念撮影では中心に陣取らせ、SNSで「宇田川会」と投稿。食事会をきっかけにチームで素を出せるようになった宇田川は「食事会で話してくれて、慣れたというか、自分を出してもいいんだなと」と余計な気疲れから解放された。

最奥に固まった3人は「抑えトーク」に花を咲かせた。「そりゃ僕でしょ」と焼き担当を務めた大勢は「ルーティンとかマウンドに上がるまでの準備の仕方を聞けました」。同じ役割同士だから分かり合える「クローザーあるある」で仲を深めていたかも? しれない。

今永アニキが佐々木、宮城、高橋宏の若武者トリオをまとめた。焼き担当を立候補した高橋宏は「こだわり強く焼いてますよ。お店のために、網をなるべく替えずに頑張りました」と後輩仕事を全う。会社員の親睦会のように、そうそうたる侍戦士が肉をつつきながら一致団結した。

<宇田川会アラカルト>

◆宇田川ジャパン 昨季に育成から支配下に昇格して半年での侍入りとジャンプアップした右腕は当初、スターばかりで萎縮していたが、食事会を機にバリアーを解いた。ダルビッシュは「次の日くらいから、逆にピッチャー陣の中心になっちゃって。手の届かないところにいってしまった」。

◆体調管理 翌日に練習を控えていたため、ほとんどの選手がお酒を控えてソフトドリンク。宮城と佐々木はウーロン茶で楽しんだ。

◆陰のMVP 地元・宮崎出身の戸郷が、店とタクシーを手配した。「切り札を出しました」とスマートに仕事をこなし、ダルビッシュからも感謝された。

◆支払い 最年長のダルビッシュが全員分をごちそうした。帰りのタクシー代も全て支払う太っ腹ぶり。