侍ジャパンは栗山英樹監督(61)が任期満了となる今大会で勇退し、新たな後任監督の選定に入ることが22日、分かった。

その候補として、マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(49)が挙がる可能性があることが判明した。侍ジャパン強化委員会は、速やかに26年春に開催予定の第6回WBCへ向けた次期監督の選考に入る。球界関係者の話を総合すると、新指揮官として、イチロー氏に侍ジャパンからの打診が届くことは十分にある。

同氏は第1回、第2回WBCの中心選手として連覇に貢献。06年の第1回大会では王監督の下、活躍。ベストナインに選ばれた。09年の第2回大会では一転、苦しんだ。だが、原監督の下、1番右翼を任され、ついに決勝の韓国戦で4安打と爆発。延長10回に林昌勇から決勝の2点適時打を放ち、日本を連覇に導いた。

その瞬間を目に焼き付けた当時の野球少年たちが、今回の侍ジャパンのメンバーには多くいた。イチロー氏は19年に現役を退いた後、マリナーズで若手の育成役を務める。20年2月には学生野球資格を回復。オフに帰国すると全国の高校を巡り指導。女子野球にも積極的に携わっている。

次期監督に求められる資質として、世界の野球に通じていることが挙がる。イチロー氏以外にも、元ヤクルト監督の古田敦也氏(57)も候補の1人となりそうだ。選手・指導者として実績は申し分なく、ソウル五輪では銀メダルを手にした。今春にはダイヤモンドバックス臨時コーチを務め、世界の野球に触れている。

11月に東京ドームで開催される第2回アジアプロ野球チャンピオンシップが新体制の初陣となる。世界と渡り合う指揮官を選び抜く。

◆栗山英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日、東京都生まれ。創価高-東京学芸大。83年ドラフト外でヤクルト入団。プロ1年目秋に両打ち転向、3年目に打率3割1厘。89年に外野手でゴールデングラブ賞。通算494試合、7本塁打、67打点、打率2割7分9厘。90年に引退後はスポーツキャスター、大学教授などを務め、12年から日本ハム監督。12年リーグ優勝、16年日本一。21年11月、日本代表監督就任。現役時は174センチ、72キロ。右投げ両打ち。

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