第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月6日から開幕! 2大会ぶり世界一を狙う侍ジャパンだが、参加国も有力選手で戦力を整え、頂点を目指す。現役バリバリのメジャーリーガーも多数出場予定。スーパースターを紹介する。

強肩強打! 12年MVPとシルバースラッガー賞

バスター・ポージー捕手 1987年3月27日、米ジョージア州生まれ。08年ドラフト1巡目(全体5位)でジャイアンツの指名を受けてプロ入り。契約金は当時球団史上最高額の620万ドル。09年9月のドジャース戦でメジャー初出場。当初は一塁手として起用されたが、10年途中から捕手となり、4番として同年チームの地区優勝に貢献。レンジャーズとのワールドシリーズ(WS)第4戦で本塁打を放つなど活躍し、チームのサンフランシスコ移転後初の世界一に尽力した。さらに首位打者となった12年にもWSを制し、ともに自身初のMVPとシルバースラッガー賞を獲得。昨年9月に通算1000安打を達成した。メジャー通算8年で899試合に出場し、打率3割7厘、116本塁打、527打点。185センチ、97キロ。右投げ右打ち。

アメリカのバスター・ポージー捕手
アメリカのバスター・ポージー捕手

14年本塁打王 メジャーNO・1の飛ばし屋

ジアンカルロ・スタントン外野手 1989年11月8日、米カリフォルニア州生まれ。07年ドラフト2巡目でマーリンズに入団。メジャーデビューした10年にいきなり22本塁打をマークすると、昨季まで7年連続20本塁打超え。14年には37発でナ・リーグ本塁打王を獲得し、シルバースラッガー賞、ハンク・アーロン賞にも輝いた「メジャーNO・1飛ばし屋」。同年オフにマ軍と、米スポーツ選手のチーム契約では史上最高額となる13年総額3億2500万ドル(約373億7500万円)で契約延長したことでも話題になった。オールスター戦には12年、14年、15年の3度選出。昨年は、球宴選出はならなかったものの、球宴前夜祭のホームランダービーには出場し優勝した。1回戦を24本、準決勝を17本で勝ち抜くと、決勝は飛距離によって加算されるボーナスタイムを獲得して20本をマーク。計61本でそれまでの最多記録を20本更新する猛打ぶり。飛距離150メートル超の特大弾を披露する圧倒的な優勝は、大いに話題になった。イチローの同僚でもある。メジャー通算7年で打率2割6分6厘、208本塁打、540打点。198センチ、111キロ。右投げ右打ち。

アメリカ代表のジアンカルロ・スタントン
アメリカ代表のジアンカルロ・スタントン

4年連続Gグラブに2年連続2冠王

ノーラン・アレナド内野手 1991年4月16日、米カリフォルニア州生まれ。エルトロ高から09年ドラフト2巡目(全体59位)でロッキーズに指名されて入団。ヤンキースのオースティン・ロマイン捕手とは高校のチームメートだった。三塁手として、メジャーデビューした13年から4年連続ゴールドグラブ賞を受賞。15年に42本塁打130打点、16年に41本塁打133打点と飛躍。2年連続でナ・リーグ2冠王、シルバースラッガー賞に輝き、オールスター戦にも選出された。今大会の米国代表メンバーで、昨季30本塁打以上を記録したのはアレナドのみ。母親の母国プエルトリコ代表でのWBC出場を希望していたが、生まれ故郷米国のオファーを受諾した。メジャー通算4年で561試合に出場し、打率2割8分5厘、111本塁打、376打点。188センチ、92キロ。右投げ右打ち。

アメリカのノーラン・アレナド内野手
アメリカのノーラン・アレナド内野手

13年2冠王!大学時代は金融専攻で優秀

ポール・ゴールドシュミット内野手 1987年9月10日、米デラウェア州生まれ。06年ドラフト49巡目でドジャースから指名されたが、低い評価に入団せず、テキサス州立大に進学。金融専攻で学業成績も優秀だった。長打力が開花し、09年にドラフト8巡目でダイヤモンドバックスから指名を受けて契約。11年8月のジャイアンツ戦でメジャーデビューした。13年に36本塁打、135打点をマークしてナ・リーグ2冠王。同年から4年連続オールスター戦選出。13年と15年には、一塁手としてゴールドグラブとシルバースラッガー賞を同時受賞するなど攻守に高評価を得ている。メジャー通算6年で779試合に出場し、打率2割9分9厘、140本塁打、507打点。190センチ、102キロ。右投げ右打ち。

アメリカのポール・ゴールドシュミット内野手
アメリカのポール・ゴールドシュミット内野手

防御率1・45の超一流リリーバー

アンドルー・ミラー投手 1985年5月21日、米フロリダ州生まれ。06年ドラフト1巡目(全体6位)指名でタイガースと4年契約。当時大学球界最高左腕として、契約金は球団史上最高額の355万ドルだった。2メートルを超える長身から160キロ近い速球とスライダーを武器に、三振の山を築く。マーリンズをへてレッドソックスへ移籍2年目の12年に、先発から救援に転向。オリオールズ、ヤンキースと移り、昨季途中から在籍したインディアンスのリーグ優勝に貢献。1年を通して10勝1敗、12セーブ、防御率1・45を記録した超一流リリーバー。サイ・ヤング賞3度受賞のカーショー(ドジャース)らがメンバーから漏れ、先発に大黒柱を欠く米国代表において、救援陣の活躍は不可欠。201センチ、92キロ。左投げ左打ち。

アメリカのアンドルー・ミラー投手
アメリカのアンドルー・ミラー投手

シャーザーの代役!開幕2戦目ドミニカ戦先発

タナー・ロアーク投手 1986年10月5日、米イリノイ州生まれ。08年ドラフト25巡目でレンジャーズの指名を受けて入団。10年7月末にトレードでナショナルズへ移籍し、13年8月6日にメジャー初昇格を果たした。翌日のブレーブス戦で初登板。2番手での登板だったが2回無失点と上々のデビューを飾り、同年9月に先発に転向。昨季は14年の15勝を上回る、キャリアハイの16勝を挙げた。今大会はナ軍の同僚で、昨季サイ・ヤング賞投手のマックス・シャーザーが米国のエースになるとみられていたが、右薬指関節の疲労骨折で欠場。代わって代表に選出され、開幕2戦目のドミニカ共和国戦先発が決まっている。188センチ、106キロ。右投げ右打ち。

ダルビッシュから三振を奪うアメリカのロアーク投手(手前)
ダルビッシュから三振を奪うアメリカのロアーク投手(手前)

「ヤギの化身」と恐れられ…チーム唯一の3割超え

ダニエル・マーフィー内野手 1985年4月1日、米フロリダ州生まれ。ジャクソンビル大から06年ドラフト13巡目でメッツの指名を受けてプロ入り。08年8月のアストロズ戦でメジャーデビュー。14年に初めてオールスター戦に選出される。メジャー通算では87本塁打と平凡な成績ながら、15年のポストシーズンで6試合連続本塁打と大ブレーク。同年まで100年以上もの間、世界一から遠ざかったカブスを呪うヤギと同名であることから「ヤギの化身」と呼ばれて恐れられた。16年にナショナルズに移籍し、自身2度目のオールスター出場。打率3割4分7厘と、今大会の米国代表の中で唯一昨季の成績が3割を超えている。185センチ、99キロ。右投げ左打ち。

アメリカのダニエル・マーフィー内野手
アメリカのダニエル・マーフィー内野手

ダルの相棒!昨季キャリアハイ24発

ジョナサン・ルクロイ捕手 1986年6月13日、米フロリダ州生まれ。07年ドラフト3巡目(全体101位)でブルワーズから指名されてプロ入り。10年5月のツインズ戦でメジャー初出場。自身2度目のオールスター戦に選出された直後の16年7月末に、トレードでレンジャーズへ移籍。正捕手を任され、今春キャンプでもダルビッシュとバッテリーを組んだ。また今オフにともにFAとなることからも、今季の成績が注目されている。昨季はトータル142試合に出場してキャリアハイの24本塁打をマーク。打率2割9分2厘、81打点の「打てる捕手」。野球以外でも慈善活動に積極的に取り組んでいる。WBC米国代表は前回大会に続いて2度目。183センチ、90キロ。右投げ右打ち。

アメリカのジョナサン・ルクロイ捕手(左)とダルビッシュ
アメリカのジョナサン・ルクロイ捕手(左)とダルビッシュ

11年に救援ながらサイ・ヤング賞で得票

デービッド・ロバートソン投手 1985年4月9日、米アラバマ州生まれ。06年ドラフト17巡目指名でヤンキースに入団。08年6月のメッツ戦でメジャー初出場。当時ヤ軍には歴代最多652セーブを挙げた守護神マリアノ・リベラがおり、11年にはリベラにつなぐセットアッパーとして活躍。70試合に登板して4勝0敗、防御率1・08、奪三振率13・50と驚異的な数字を残し、救援投手ながらサイ・ヤング賞投票、MVP投票ともに得票した。リベラの引退後は抑えに回った。14年本拠地最終戦ではオリオールズ相手にセーブ機会失敗も、これが引退を表明していたデレク・ジーターの劇的なサヨナラ適時打を呼び、結果的に勝利投手となった。15年からホワイトソックスでプレー。180センチ、88キロ。右投げ右打ち。

アメリカのデービッド・ロバートソン投手
アメリカのデービッド・ロバートソン投手

昨季9勝19敗も233奪三振

クリス・アーチャー投手 1988年9月26日、米ノースカロライナ州生まれ。06年ドラフト5巡目でインディアンスから指名を受けてプロ入り。カブスをへて11年にトレードでレイズへ移籍。12年6月のナショナルズ戦でメジャーデビュー。14年4月に6年総額2550万ドル(当時約25億5000万円)でレ軍と契約を延長した。15年に初のオールスター戦に選出と、2年連続の2ケタ勝利をマーク。先発ローテでフルシーズンを投げた昨季は9勝19敗と負け越したものの、リーグ2位タイの233奪三振を記録した。ドジャースの左腕カーショーらが不在の米国代表先発投手陣において、エースの働きが期待される。大会ではコロンビアとの初戦先発が見込まれる。190センチ、86キロ。右投げ右打ち。

アメリカのクリス・アーチャー投手
アメリカのクリス・アーチャー投手