WBO世界バンタム級1位大森将平(22=ウォズ)が、同級2位マーロン・タパレス(23=フィリピン)に2回1分35秒TKOで敗れた。

 1回開始20秒過ぎに左オーバーハンドを食らって手をつきダウンを取られると、1分過ぎにも右をもらってダウン。さらに1分40秒過ぎにも尻もちをついた。1回だけで3度のダウンを喫する想定外の展開に、大森も動揺を隠せない。2回にも1度ダウンを喫し、最後は右を食らって足がふらついたところをレフェリーに止められた。勝てば世界王座への挑戦権を獲得できた大事なプロ16戦目で、痛恨の初黒星。大森は「(相手が)1回にあんなに出てくるとは正直思ってなかった。1回がすべて。今の実力は、これ。受け止めて今後に生かしたい」とサバサバとした表情で話した。

 最初のダウンにつながったタパレスの左は、十分警戒していたはずだった。だが、誤算は出だしに自分のジャブが相手に当たったことにあった。「リードが当たるから距離を詰めてしまった。大きいのを振ってくるのは分かってたし、その距離にいかない練習をしていたのに、その距離に行ったのが敗因」と悔やんだ。

 大森昌治治会長も、がっくりだった。「勢いだけでは勝てない。もっと強い相手と練習しないと」と、唇をかんだ。それでも、まだ22歳。大森会長は「これで、どう変わるか。てんぐになってた部分もあったし、いい1敗ちゃうかな」と、屈辱をバネにすることを願っていた。