辰吉譲りの左ボディーで世界王座をKO奪取する。ボクシングのワタナベジムは14日に都内で、7月23日に東京・大田区総合体育館でダブル世界戦を行うと発表した。メインにIBF世界ミニマム級9位京口紘人(23)を抜てき。同級王者ホセ・アルグメド(28=メキシコ)に世界初挑戦する。

 京口は昨年4月デビューし、今年2月の6戦目で東洋太平洋同級王座についた。V1戦が唯一判定も7戦全勝中6KOは3回までに決めている。最軽量級ながらパンチ力が最大の武器。「8戦目で大きなチャンス。ジョーちゃん直伝の左ボディーのKOで王者になり、人生を変えたい」と自信を口にした。

 中学入学前に3歳上の兄竜人も入門していた大阪帝拳ジムでボクシングを始めた。「ジョーちゃん」と呼ぶ辰吉丈一郎をビデオで見たのがきっかけ。大商大進学までの3年間は「かわいがってもらい、いろいろ教えてもらった」。特に左ボディーは一日中サンドバッグをたたかされて教え込まれた。

 王者は15年に高山から王座を獲得し、今回がV4戦となる。「好戦的でかみ合い、穴もある」と京口はKOしか頭にない。【河合香】

 ◆京口紘人(きょうぐち・ひろと)1993年(平5)11月27日、大阪・和泉市生まれ。3歳から父の道場で空手を始め、12歳でボクシングを始める。伯太高校から大商大に進み、14年国体優勝、15年台北市国際カップ準優勝、主将を務める。アマ戦績は52勝(8KO)14敗。16年4月プロデビュー。160センチの右ボクサーファイター。家族は両親に兄と姉。