ボクシングのロンドン五輪金メダリストでWBA世界ミドル級1位村田諒太(31=帝拳)が15日、都内のジムで同級タイトルマッチ(10月22日、両国国技館)に向けたスパーリングを開始した。

 判定が国内外で物議を醸した5月の王座決定戦で敗れたアッサン・エンダム(フランス)との直接再戦に大きな注目が集まるが、「次の試合で(相手が)どう出てくるか。それに対してはっきり勝つことができるか、練習中です」と完全決着への道筋を探す。

 この日の3回の実戦機会では、前戦と同じメキシコ人パートナーと至近距離で拳を交える場面が多く見られた。村田の攻撃をあえて距離を詰めることでしのいだエンダム。初戦に続き第2戦でも、距離感が詰まる場面があると考えられる。強引に打ちにいき、クロスのカウンターを2度もらった場面を反省しながらも、「課題が出るのは良いこと」と歓迎して対策を磨いた。

 表情などにも余裕が感じられるのは、自信によるもの。「精神的な落ち着きが違う」と約1カ月前の現状を伝えた。「ある程度自信をもって試合に臨める。前回は本物とやって通用するか信じ切れない部分もあったが、いまは信じ切れる。それが精神的な支え。大きなところ」とメンタル面でぶれることがないという。「試合までこの調子でやっていきたい」と述べた。