13度目の計量パフォーマンスは入れ墨だった。

 ボクシングで最初の女子日本タイトル戦となるバンタム級王座決定戦の計量が、5日に都内であった。

 モデルの同級1位高野人母美(30=協栄)は着物姿で計量台に乗るとリミットをオーバー。着物を脱ぐと53・4キロと100グラム下回ったが、その背中には黒ヒョウと竜の入れ墨をペイントし、胸は黒いシールを貼りつけていた。

 キックボクシングなど格闘技経験のある同級2位吉田実代(29=EBISU K,s BOX)と初代王者を争う。「テーマは極道。相手は勝手にヤンキーかなと思って、勝つのは極道だから」と説明。竜がヤンキーで、踏み付ける黒ヒョウが極道のイメージという。朝6時起きで5時間かけて準備した。Tシャツで臨んだ吉田は「不意を突かれた。何とも言えない。笑っちゃいました」。

 これまでコスプレパフォーマンスを続けてきたが、「13回目で100万円を越えた。ボクシングに興味を持ってもらえればと思って」という。背中には婚活応援酒場「相席」のロゴ、胸には電磁波対策ネックレス「ZAAP」の文字入り。8月に相席屋に初めて行ったが、「成果はゼロ」も今回のスポンサーになってもらった。

 日本では入れ墨は禁止されていて、計量後に日本ボクシングコミッションの職員から「あしたは入れ墨なし」と注意を受けると「分かってます」と答えた。「KOで勝って、歴史に名を残します」。試合は2分6回戦で日本の初代女王が決まる。