プロボクシングの大みそかのダブル世界戦が、17日に都内で発表された。

 12月31日に東京・大田区総合体育館で、IBF世界ミニマム級王者京口紘人(23=ワタナベ)は、同級3位カルロス・ブイトラゴ(23=ニカラグア)と指名試合での初防衛戦となる。メインはWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)がIBF世界同級王者ミラン・メリンド(29=フィリピン)と団体王座統一戦となった。

 大みそかの試合は京口にとって2年連続だが、昨年はまだ6回戦だった。初の世界戦に「特別な人間しか立てない舞台で光栄なこと。楽しみであり、怖さもあるが、勝つことに変わりない」と意欲を口にした。7月に8戦目で世界初挑戦し、国内最短の1年3カ月で世界王座を手にした。「王者になって成長できていると自覚があり、伸びている自信もある」と話す。

 その中で秘策パンチにも磨きをかけている最中だ。「練習の中で試行錯誤して、最近使い出した。当たれば確実に倒れるパンチで、相手は見えないはず。一発で倒すイメージ。新しい自分を見せたい。注目して楽しみにして」。中身は当日お披露目と明かさなかったが、KO防衛に自信満々だ。

 挑戦者ブイトラゴは4度目の世界挑戦で悲願がかかる。戦績は30勝(17KO)2敗1分け1無効。「2敗1分けはどれも世界戦。今度こそと取りに来る相手にしっかり打ち勝つ」。同じニカラグアの英雄ロマゴンことゴンサレスの後継者とも呼ばれる。京口は「スケール小さい。オレの方がロマゴンより」と豪語する。京口は小6で辰吉に指導を受け、今も「丈ちゃん」呼ぶ。王座について「初めてほめられた」という辰吉イズムの後継者のプライドもある。

 最近、上京した母に築地で高級すしを振る舞った。「もっと親孝行するために王者で年を越す」と誓った。