王者船井龍一(32=ワタナベ)が2回TKOで、2度目の防衛に成功した。同級15位で元WBOアジアパシフィック同級暫定王者川口勝太(33=堺東ミツキ)と対戦。2回に右ストレートを打ち込んでヒザを折らせ、ロープに追い込んで連打。再び右ストレート2発を打ち込んで、1度は立ち上がりかけるも倒れてレフェリーストップ。2回3分9秒TKO勝ちとなった。

 初回から左ジャブを突き、右ストレートもヒットさせ、いい立ち上がりだった。バッティングで川口が左まぶたをカット。「傷が深くて、止められそう。早い回に終わらせようと思った」。初防衛戦は負傷判定だったこともあった。言葉通りに2回で仕留めた。「映像を見て、左ガードが下がっていた。右ストレートが入ると思った。倒して勝ちたかった。理想の勝ち方」と笑みが広がった。

 今年は3月に3度目のタイトル挑戦で悲願の王座を獲得した。さらに2度防衛して、王者として年越しに「今年はすごくいい年になった」と振り返った。来年のV3戦の相手は、セミの挑戦者決定戦で負傷引き分けも優勢勝ちした久高寛之(32=仲里)と決まった。「これに満足せずに年内には練習を始めたい」。

 すでにIBFで11位、WBAとWBOで13位にランクされている。ジムには田口と京口という2人の世界王者がいる。「年下だけど刺激になる。尻をたたかれている感じ。先輩らしいところを見せたい」と話す。目指すは世界。渡辺会長も「世界ランクをアップさせたい」と、上位に入れるWBOアジアパシフィック王座を狙わせる考えも示した。