同級王者井上尚弥(24=大橋)が、挑戦者の同級6位ヨアン・ボワイヨ(29=フランス)を3回TKOで下し、7度目の防衛に成功した。

 圧倒した。1回残り約15秒、左フックが相手のアゴを的確にとらえ最初のダウンを奪うと主導権を握った。3回には左ボディーで立て続けに3度のダウンを奪ってTKO勝利。自身の成績を15戦15勝(13KO)とした。

 ハンパない強さだった。1回から相手のガード上から、強烈な右フック、左右のボディーを浴びせ続けた。「(パンチの)感触はめちゃくちゃありました。左は常に自信を持っているパンチ。当たれば倒れてくれるという感触があった」。3回の3連続ダウンを奪った強烈な「左」で相手を沈めたシーンを冷静に振り返った。

 試合を終えた井上は来年の抱負を聞かれると、もはや敵なしとなった同階級への“卒業”をほのめかした。

 「スーパーフライ級では統一戦もできないだろうし、バンタム級にいきたいなと自分の中では思っている」。涼しげな表情を浮かべた井上が、階級を上げる意思を示した。