DDTの両国国技館大会が25日に行われ、武藤敬司(55)の化身グレート・ムタが6人タッグ戦に登場した。佐々木大輔、遠藤哲哉と組み、男色ディーノ、石井慧介、大家健と30分1本勝負で対戦。紫を基調にしたコスチュームで入場して花道をゆっくり歩くと、一気に会場の雰囲気を「魔界色」に染めた。

 開始1分過ぎにはさっそく、代名詞の毒霧をあいさつ代わりに一発。空中に向かって吹き出すと、場外に降りてゆっくりと周囲を見渡しただけで、独特の緊張感をもたらした。関節技など要所で技術も見せつけ、「魔界の住人」対「男色」という異色すぎる対決となったディーノとの攻防では、股間攻撃などの「男色殺法」にも一切動じることなく、逆にドラゴンスクリューでマットにはわせた。

 ディーノのキス攻撃にも応戦。佐々木、遠藤と3人での毒霧で赤く染め上げ、最大の見せ場はラスト。コーナーポストからのムーンサルトプレスで3カウントを奪ってみせた。

 なお、武藤は月末に変形性ヒザ関節症の手術で人工関節を入れる。今後はリハビリからリング復帰を目指すことになるが、代表的な決め技ムーンサルトプレスは封印することを決めている。14日のW-1の後楽園大会で武藤としては現役最後の一撃を放っていた。