ボクシング元3階級制覇王者の亀田興毅氏(31)が、5月に引退当時のバンタム級(上限53・5キロ)で1試合限定で現役復帰して行う予定の引退試合の対戦相手が、10年3月のWBC世界フライ級王座統一戦で初黒星を喫した元王者ポンサクレック・ウォンジョンカム氏(40=タイ)に決まった。同日、AbemaTVで放送された「ラスト亀田興毅~最後の現役復帰~」(土曜午後11時)で発表された。

 亀田氏は3月上旬、復帰戦でボクシング経験者と戦うこと、日本ボクシングコミッション(JBC)にボクサーライセンスを再申請し、公式試合として行う考えを明かしていた。対戦相手の候補者数名と交渉段階だとした上で「ボクシングをやってきて怖いと思ったことは1回もないですけど、多少の怖さがありますね」と語った。その引退試合は、プロ23戦目で初黒星を喫した因縁の相手との、8年越しの再戦となった。

 ポンサクレック氏は、強打を織り交ぜた激しい連打とスタミナを前面に押し出したファイターで、01年にマルコム・ツニャカオ(フィリピン)に初回TKO勝ちしてWBC王座を獲得。02年には内藤大助氏に、世界フライ級史上最短記録の初回34秒でKO勝ちするなど、同級史上最多17度の防衛に成功。07年7月に内藤氏に判定負けし陥落すると、翌08年に指名挑戦者として挑戦したが引き分けた。

 09年には暫定王者となり、正規王者の亀田氏との統一戦に勝利した。その王座は6度、防衛したが、12年3月2日にソニー・ボーイ・ハロ(フィリピン)に6回KO負けして陥落。12年に1度引退、再起したが、14年11月に引退し、トレーナーをしていたという。現在、ライセンスの申請に向け調整中で、再戦を前にトレーニングを始めたという。